タイヤ交換の時期が来たり、少し走りを変えてみたいなと思ったとき、フィット rs タイヤ サイズについて色々と迷ってしまうことはありませんか。純正のサイズを確認したいだけの人もいれば、歴代モデルとの違いが気になる人、さらにはインチアップして16インチや17インチに挑戦してみたい人、ツライチを狙って限界まで攻めたい人まで、本当に様々な悩みがあるかと思います。
冬場に向けてスタッドレスタイヤをどう選べばいいか、適正な空気圧はどれくらいなのか、どんなおすすめのタイヤがあるのかなど、知っておきたいポイントはたくさんありますよね。今回は、そんなフィットRSの足回りに関する疑問をスッキリ解決できる情報を徹底的にまとめてみました。
この記事を読めば、あなたの目的にぴったりのタイヤ選びができるようになりますよ。
- フィットRSの純正タイヤ仕様と歴代モデルの違い
- 目的に合わせたおすすめタイヤとスタッドレスの選び方
- 16インチや17インチへインチアップする際の注意点
- ツライチ設定の限界幅と車検対応に関する重要知識
フィットRSのタイヤサイズと基本仕様
フィットRSの足回りを深く理解するためには、まず純正の基本スペックをしっかり把握しておくことが何よりも大切ですね。ここでは、歴代モデルのシャシーの特徴や純正サイズの意味、そして日常の安全なドライブに欠かせない空気圧の管理方法やタイヤ選びの基本について、じっくりとお話ししていきます。
歴代フィットRSのタイヤサイズ比較

フィットRSといえば、世代を超えて受け継がれてきたホンダのBセグメント・スポーツグレードですよね。実は、世代ごとにシャシーの特性や求められるタイヤの役割が結構違っているんです。例えば、第2世代にあたるGE8型は、初代から続く「センタータンクレイアウト」というホンダの特許技術をさらに熟成させています。前席の下に燃料タンクを配置することで、リア周りの大幅な軽量化と圧倒的な室内空間、そして低重心化を実現した画期的なモデルです。しかし、この特異なレイアウトは、車両の重心が極端にフロント寄りになる、いわゆるフロントヘビーな傾向を生み出すという副作用も持っています。結果として、フロントタイヤへの負担(エンジンの駆動力の伝達、ブレーキング時の制動力の受け止め、そしてコーナリング時の操舵という3つの超重要タスクを同時に担うFF車の宿命)が非常に大きく、フロントタイヤのグリップレベルに対する感度が極めて高いシャシー構造となっていました。
続く第3世代のGK5型フィットRSにおいては、ボディの骨格同士を先にガッチリと溶接し、その後から外板パネルを溶接していく「インナーフレーム構造」が新たに採用されました。これにより、シャシー全体のねじり剛性と曲げ剛性が飛躍的に向上したんです。シャシー剛性が上がったことで、激しい走行中にもサスペンションの取り付け部が歪むことがなくなり、ショックアブソーバーが設計値通りに正確にストロークするようになりました。これにより、タイヤに対する路面からの面圧分布が均一化され、GE8型と同じタイヤサイズであっても、よりタイヤのグリップ限界を引き出しやすく、偏摩耗しにくい車両特性へと劇的な進化を遂げています。
最新のGR系(第4世代)は重量とトルクに注意!
最新のGR系においては、2モーターを内蔵した強力なハイブリッドシステム(e:HEV)を搭載したRSグレードが登場しています。モーター駆動による瞬発的かつ強大な大トルクがゼロ発進の瞬間から前輪にダイレクトに入力されるため、タイヤに求められる「縦方向のトラクション性能」と「瞬間的な耐摩耗性」の要求値が、過去の自然吸気モデルとは比較にならないほど高まっています。また、重量物であるバッテリーを搭載したことにより車体重量そのものも増加しているため、タイヤのロードインデックス(荷重指数)の管理がより一層シビアになっている点も、次世代のフィットRSにおけるタイヤ選びの重要課題となっています。
フィットRS純正タイヤサイズの解説
GE8型フィットRS(2WD・1.5RS・CVT仕様)を例にとると、車両の足回りを構成する基礎データは、すべてのカスタマイズおよび保守整備の出発点となります。提供されたデータに基づく純正ホイール・ハブ仕様は、一般的なコンパクトカーと比較して非常に特筆すべきジオメトリー特性を有しています。
| 項目 | 仕様・寸法データ | 工学的意義および備考 |
|---|---|---|
| P.C.D | 100 mm | コンパクトカー市場における標準的ピッチ円直径 |
| ホイール穴数 | 4 穴 | ハブベアリングの容量とバネ下軽量化のバランス |
| センターハブ径 | 56 mm | ホンダ特有の寸法。ハブセントリックの基準 |
| 標準オフセット | +68 | トルクステア抑制のための極端なポジティブインセット |
このデータ群の中で最も注目すべきであり、かつシャシーチューニングにおいて最大の制約ともなるのが、純正ホイールのインセット(オフセット)が「+68」に設定されている点です。一般的なBセグメントのコンパクトカーにおいて、純正ホイールのインセットは+45から+53の範囲に収まることが大半です。インセット+68という数値は、ホイールの取り付け面(ハブとの接触面)がホイールのリム中心線よりも外側に68mmもオフセットされていることを意味し、結果としてホイール全体が車両の内側(インボード側)に深く収まる構造となっていることを示しています。この特異なジオメトリーは、キングピンオフセット(スクラブ半径)を極限までゼロまたはネガティブに近づけるための、ホンダ独自のサスペンション設計思想の表れなんですね。

マクファーソンストラット式サスペンションにおいて、キングピン軸の延長線が路面と交わる点と、タイヤの接地中心点との距離をスクラブ半径と呼びます。スクラブ半径を最小化(ゼロスクラブ化)することで、前輪駆動(FF)車特有の悪癖である「トルクステア」(急加速時に左右のドライブシャフトの不等長や路面の摩擦係数の違いにより、ステアリングが左右に勝手に取られる現象)を物理的に強力に抑制し、制動時のヨーモーメントの発生を防ぎ、直進安定性を飛躍的に向上させることが可能となります。特に1.5リッターエンジンとCVTの組み合わせにおいては、無段変速機特有の切れ目のないトルク変動に対して、ステアリングインフォメーションを純粋に保つための力学的アプローチとしてこのインセット+68が機能しています。
汎用ホイール装着時のシミー現象に注意
ハブ径が56mmに設定されている点は社外ホイール選定時に極めて重要な注意点となります。アフターマーケットの社外ホイールの大半は、多種多様な車両に適合させるためにセンターホールの内径を65mmや73mm等に大きく製造しています。ハブ径56mmのフィットRSにそのまま装着すると、ナットの締め付け力のみで中心を出す「ラグセントリック」状態となり、高速回転時の微小なアンバランスでステアリングに微振動が伝わるシミー現象の原因となります。社外ホイール装着時は、隙間を完全に埋める「ハブセントリックリング」の導入が不可欠です。
\ ハンドルブレを防ぐ必須アイテム /
フィットRSの適正空気圧の管理方法
タイヤのサイズを変えたり、社外品に交換した際に意外と見落とされがちなのが、適正な内圧管理の重要性です。タイヤには「ロードインデックス(LI:荷重指数)」という、そのタイヤが規定の条件下で支えることのできる最大負荷能力(耐荷重)を示す数値が国際規格として厳格に定められています。インチアップを行い、偏平率の低いタイヤ(いわゆる薄いタイヤ)を装着した場合、タイヤ内部の空気の容積(エアボリューム)が物理的に大きく減少してしまいます。
タイヤが車両の重量を支える力というのは、タイヤの骨格(カーカス)自体の強度だけでなく、内部に充填された空気の圧力と、その容積の掛け合わせによって生み出されているんです。したがって、空気の容積が減少した状態において、純正タイヤと全く同等の荷重を安全に支えるためには、より高い空気圧を充填する必要が生じます。これを補うために、現代のインチアップ用タイヤの多くは、内部構造を強化してより高い空気圧の充填を可能にした「エクストラロード規格(XL規格 / レインフォースド規格)」を積極的に採用しています。
DBA-GE8型の運転席ドア開口部のBピラーに貼付されている指定空気圧のステッカーは、あくまでメーカーが指定した純正サイズのタイヤ(標準規格:JATMA規格など)に対する指定値に過ぎません。ユーザーが195mmや205mmのタイヤへとサイズを変更し、LI値が純正を下回る、あるいは規格が変わっている(標準規格からXL規格へ)にもかかわらず、純正の指定空気圧(例:フロント2.2kPa / リア2.1kPaなど)のまま走行を続けることは極めて危険な行為です。

空気圧が不足した状態(耐荷重不足)で高速走行を行うと、タイヤのサイドウォールが過度に屈曲を繰り返し、内部で異常発熱を引き起こします。これが「スタンディングウェーブ現象(高速回転時にタイヤのトレッド面が波打つように変形し続ける現象)」を誘発し、最悪の場合は走行中のバースト(破裂)という大事故に直結してしまいます。サイズ変更を行う際には、日本自動車タイヤ協会(JATMA)や欧州タイヤリム技術機構(ETRTO)の荷重指数・空気圧換算表に基づき、変更後のタイヤに必要な適正空気圧を必ず再計算し、日常的な内圧チェックを怠らないようにすることが絶対条件となります。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は専門家にご相談ください。
\ 月に一度は必ずチェック! /
フィットRSのおすすめタイヤの選び方

フィットRSは、1.5リッターという小排気量ながら、VTECによる高回転域での伸びやかな出力特性と、軽量ボディを活かした俊敏な回頭性を併せ持つ、非常にポテンシャルの高い車両です。この特性を最大限に活かすためのタイヤ選びは、皆さんが「どのようなシチュエーションで走りたいか」によって、主に3つのカテゴリーに大別して検討する必要があります。
まず1つ目は「低燃費(エコ)タイヤ(185mm / 6Jなど)」です。こちらは通勤やお買い物など、市街地走行が主体の方に最もおすすめです。シリカを高配合し、分子レベルで内部摩擦による発熱を抑制することで、優れた転がり抵抗係数を達成しつつ、雨の日のウェットグリップ性能もしっかり確保しています。タイヤ自体が軽いためサスペンションの上下動がスムーズになり、CVTの燃費効率を最大限に引き出してくれるのが最大の魅力ですね。
2つ目は「スポーツコンフォートタイヤ(195mm / 6.5Jなど)」です。週末のワインディングや高速道路での長距離ドライブ(グランドツーリング)を楽しむ層にぴったりです。非対称のトレッドパターンを採用しているモデルが多く、アウト側(外側)の剛性を高めてコーナリング時の踏ん張りを確保しつつ、イン側(内側)の主溝面積を広げて排水性を向上させています。静粛性とスポーツ性能が高次元でバランスされており、大人のカスタムとして非常に人気があります。
最後、3つ目は「ハイグリップスポーツタイヤ(205mm〜215mm / 7Jなど)」です。これはもう、サーキットでのタイムアタックやジムカーナ競技でコンマ1秒を削りたいガチ勢に向けた選択肢です。特殊なカーボンブラックコンパウンドを採用しており、低い温度域から発熱して路面にネチャッと粘着するような強烈なグリップ力を発揮します。巨大なトレッドブロックによる極めて高いパターン剛性と強靭なサイドウォールを持ち、絶対的な横方向のラテラルフォースを叩き出します。ただし、乗り心地は非常に硬くなり、路面の段差の衝撃をダイレクトに車体に伝達するため、ボディ骨格への負担が増大し、燃費も明確に悪化します。ご自身の用途に最も合ったコンパウンドとサイズを選ぶことが、後悔しないタイヤ選びの極意と言えますね。
\ 用途に合う一本が必ず見つかる /
フィットRSのスタッドレスタイヤ選定
降雪地域にお住まいの方や、冬場にスキーやスノーボードなどのウインタースポーツへ出かける方にとって、スタッドレスタイヤの選定は命に関わる非常に重要なテーマです。夏用のサマータイヤにおいては、スポーツ性能や見た目の迫力を追求して195mmや205mmといったワイドタイヤを装着しているユーザーであっても、ことスタッドレスタイヤを選定する際には、思い切って「インチダウン」および「タイヤ幅の狭小化(ナロー化)」を積極的に検討することが、雪上・氷上性能の最大化とコスト抑制の両面から強く推奨されます。

雪道や水分の多いシャーベット状の路面(スラッシュ路面)において、205mmや215mmといった幅広いタイヤを履いていると、車両の重量が広い面積で分散されてしまうため、単位面積あたりの面圧(接地圧)が大きく低下してしまいます。これにより、タイヤが雪やスラッシュの上に浮き上がりやすくなる「スノープレーニング現象」や「ハイドロプレーニング現象」を非常に誘発しやすくなり、ステアリングもブレーキも全く効かないという恐怖を味わうことになります。極端な例を挙げると、WRC(世界ラリー選手権)のスノーラリーを全開で走行する競技車両が、あえて自転車のように極端に細いスパイクタイヤを装着しているのはまさにこの物理法則に基づいているからです。
逆に、185mmのような狭いタイヤ幅(ナロータイヤ)を選択することで接地圧が高まり、タイヤのトレッド面に無数に刻まれたサイプ(細かい溝)のエッジが、雪面や氷の膜を強力に突き破って(エッジ効果)、強固なグリップとトラクションを確保することが可能となります。さらに、インチダウンを行う(例えば16インチから15インチへ下げる)ことで、タイヤの偏平率が上がり、サイドウォールに十分な厚みとクッション性が生まれます。この柔らかいサイドウォールが、冬特有のボコボコに凍った路面の凹凸に柔軟に追従することで、摩擦係数の低い凍結路面においてもタイヤの接地面積の変動を最小限に抑え、唐突にグリップが抜けるスピンアウトを防ぐ効果があります。
フィットRSの冬用最適解とコストメリット
フィットRSの場合、フロントのブレーキキャリパーとの干渉を避けることができる最小のホイール径(一般的に15インチ)に、185mm幅のスタッドレスタイヤを組み合わせることが最も理にかなっています。安全性や乗り心地が向上するだけでなく、15インチのナロータイヤは17インチのワイドタイヤと比較して価格が非常にリーズナブルであるため、冬用タイヤの大幅なコストダウンを実現できるという最高のメリットがあります。
\ 15インチへのインチダウンがお得 /
フィットRSのタイヤサイズ変更と応用
基本仕様や選び方をしっかり押さえたら、次はいよいよカスタマイズの領域です。インチアップやツライチなど、見た目の迫力と走りの質感を両立させるための応用テクニックや、絶対に気をつけなければいけない法律・安全面の重要ポイントについて、さらに詳しく深掘りしていきましょう。
フィットRSのインチアップの基礎知識
足元をよりスポーティでカッコよく見せたい、あるいはステアリングを切った際の応答性(ターンイン時のレスポンス)をシャープにしたいという理由で、インチアップを検討するフィットRSオーナーは非常に多いです。ここで、インチアップを行う際に絶対に守らなければならない不文律の大原則が存在します。それは、「タイヤの外径(標準仕様の全体の直径)を純正サイズから極力変化させないこと(外径維持)」です。
ホイールのリム径を拡大(例えば15インチから16インチ、17インチへ)しつつ、全体の直径を純正とぴったり揃えるためには、タイヤの偏平率を下げる(例えば60%や55%から、50%や45%へと薄くする)いわゆる「プラスサイジング」という綿密な計算と選定が不可欠となります。偏平率を下げることでタイヤのサイドウォールの高さが物理的に低くなり、コーナリング時に横方向の荷重(ラテラルフォース)がかかった際のタイヤの変形(ヨレ)が強力に抑制されます。これにより、ステアリング操作に対するスリップアングル(タイヤの進行方向と実際の回転方向の角度差)の発生が小さくなり、操舵に対する車両のヨー(旋回)の立ち上がりがカミソリのように非常に鋭くなります。これはスポーツ走行において、ドライバーと車両の一体感を高める大きな武器となります。
しかし、物事には常にトレードオフが存在します。偏平率が下がると、タイヤ内部の空気のクッション容量(エアボリューム)が著しく減少するため、路面のマンホールや目地段差からの入力(突き上げ)がダイレクトにサスペンションや車体に伝達されるようになります。これにより、乗り心地(ハーシュネス)が悪化するだけでなく、純正のショックアブソーバーやハブベアリングへの負荷が格段に高まり、部品の劣化や寿命を早める原因にもなります。また、ホイールのリム幅(J数)に対して細すぎるタイヤを組む「引っ張りタイヤ」状態になると、本来のサイドウォールのたわみ機能が完全に失われ、予期せぬバーストのリスクも高まります。インチアップは見た目の向上と引き換えに、車体へのダメージというリスクを背負う高度なチューニングであることを十分に理解しておく必要があります。
フィットRSの16インチ化のメリット

純正の15インチから16インチへのインチアップは、フィットRS(特にGE8型やGK5型)において、見た目のドレスアップ効果と実用的な走行性能のバランスが最も取れた、まさに「黄金比」とも言えるカスタマイズです。偏平率が少し下がることで、ホイールハウス内の空間が視覚的に引き締まり、スポーティなルックスを手に入れることができると同時に、極端なバネ下重量(サスペンションより下にある部品の総重量)の増加を最小限に抑えられるという最大のメリットがあります。
タイヤやホイールを大型化・大重量化した場合、単純に車両の総重量が増加するだけでなく、質点が回転中心から遠ざかるため、車輪の「慣性モーメント」が半径の二乗に比例して劇的に増大してしまいます。この物理的現象がフィットRSの1.5リッターエンジンおよびCVTモデルに与える影響は決して無視できません。CVT(無段変速機)は、金属ベルトとプーリーを使って滑らかに変速を行う機構ですが、車輪の慣性モーメントが増大すると、エンジンが重い車輪を回し始めるために必要な初期トルクが大幅に増加します。これが、アクセルを踏み込んだ際の「もたつき」やレスポンスの鈍化としてドライバーにハッキリと知覚されてしまうのです。
特にストップ&ゴーが頻繁に繰り返される日本の市街地環境においては、必要以上の大径化(例えば重すぎる17インチなど)は、燃費の悪化を招くだけでなく、フィットRS本来の強みである軽量ボディを活かした軽快なゼロ発進加速性能を大きくスポイルする残念な結果を招きかねません。さらに、バネ下重量の増加はNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)性能にも直結し、ロードノイズの増大や、サスペンションが路面の凹凸を処理しきれずにバタつく原因となります。その点、軽量な16インチホイールと適切なタイヤの組み合わせであれば、フィットRSの持つ軽快なフットワークを犠牲にすることなく、ステアリングレスポンスの向上という恩恵をしっかりと享受することが可能です。日常使いでの快適性を損なわずに、週末のドライブの質感をワンランク引き上げたいというユーザーにとって、16インチ化は間違いなく最適なアプローチと言えるでしょう。
\ 走りと見た目を両立するサイズ /
フィットRSの17インチ化と車検対応
16インチでは物足りず、さらに強烈な視覚的インパクトとサーキットレベルのコーナリングフォースを求めて17インチ化を狙う場合、法律と安全性の壁、すなわち「車検への対応」に細心の注意を払う必要があります。先ほどお話しした「タイヤの外径維持」が、17インチ化においては非常にシビアな問題として立ちはだかります。タイヤの外径が純正から大きく狂ってしまうと、車両の車速センサーが読み取るドライブシャフトの回転数と、実際の路面に対する走行速度の間にズレ(乖離)が生じます。
これにより、スピードメーターに誤差が発生するわけですが、日本の保安基準(道路運送車両法)において、このメーター誤差は極めて厳格に規定されています。平成19年(2007年)1月1日以降に製造された車両(GE8型以降のフィットRSも当然含まれます)の場合、車検時のスピードメーター検査において、「実際の速度がメーター表示速度を上回ること」は一切許容されていません(出典:国土交通省『道路運送車両の保安基準 第46条』)。つまり、メーターが40km/hを指している時に、実速度が41km/h出ているような「外径が大きすぎるタイヤ」を装着していると、その時点で一発で車検不適合(違法改造状態)となってしまうのです。

電子制御デバイスへの悪影響の危険性
さらに恐ろしいのは電子制御への悪影響です。現代の車に標準装備されているABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やVSA(車両挙動安定化制御システム)といった高度な安全デバイスは、4輪に設置された車輪速センサーからの緻密な回転データを元に、スリップ率をミリ秒単位で計算して作動しています。タイヤの外径が規定値から外れていると、これらのコンピューターが車輪の回転速度を誤認し、緊急回避時にABSが正常に作動せずにタイヤがロックしてしまったり、コーナーの途中でVSAが誤作動して意図しないブレーキがかかったりという、命に関わる致命的なトラブルを引き起こすリスクがあります。カスタマイズを行う際はあくまで一般的な目安として捉え、正確な適合情報は公式サイトを確認し、最終的な判断はプロの整備士や専門家にご相談ください。
フィットRSのツライチ設定と限界幅
カスタムの究極の到達点として、フェンダーアーチの外縁とホイールの外面をギリギリまでピタリと一致させる「ツライチ」に憧れる方は多いでしょう。しかし、フィットRSにおいて最大サイズの7Jホイールと205mmまたは215mm幅のワイドタイヤをインストールし、本気のツライチを目指す行為は、車両のサスペンションジオメトリーを根本から見直す必要のある非常に過酷でディープな領域となります。
先ほども触れましたが、フィットRSの最大の壁は「純正インセット+68」という特殊なハブ形状です。もし市販の汎用ホイールからインセット+45程度のものを選択した場合、ホイール全体が純正の想定位置から外側に23mmも強烈に突出することになります。ここに7Jの太いリムと215mmの角張ったスポーツタイヤを組み合わせると、走行中のバウンド時やステアリングをフルロックまで切り込んだ際に、タイヤのショルダー部分がフェンダーの折り返し部分(いわゆるフェンダーの爪)と激しく干渉し、最悪の場合は走行中にタイヤをザックリと切り裂いてバーストさせる危険性が極めて高くなります。
この物理的な干渉を回避しつつ、極太タイヤを強引にフェンダー内に収めるためには、サスペンションの「キャンバー角(車両を正面から見た際のタイヤの垂直軸に対する傾き)」をネガティブ方向(いわゆるハの字)に調整し、タイヤの上部をフェンダーの内側に逃がすという大掛かりなセッティングが必須となります。

| サスペンション形式 | キャンバー調整のアプローチと難易度 |
|---|---|
| フロント(マクファーソンストラット式) | 比較的容易。ストラット下部のボルトを偏芯カムボルト(キャンバーボルト)に交換したり、調整式ピロアッパーマウントへ換装することで角度調整が可能。 |
| リア(トーションビーム式) | 非常に困難。構造上、角度調整機構を持たないため、トーションビームとハブベアリングの間にテーパー状に加工された特殊な「キャンバーシム」を挟み込む大掛かりな加工が必要。 |
特に問題なのはリアです。トーションビーム式のリアサスペンションに無理なキャンバー角をつけることは、直進状態でもタイヤを斜めに引きずりながら走ることを意味し、トー角の狂いを誘発します。これは極端な内減り(偏摩耗)を引き起こし、タイヤの寿命を著しく縮める結果となります。ツライチは見た目こそ最高にクールですが、足回り全体のシビアなアライメント調整と、タイヤ代を犠牲にする覚悟が必要なセッティングなのです。
フィットRSのタイヤサイズ選びまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、DBA-GE8型をはじめとする歴代モデルを中心に、フィットRSの足回りとタイヤサイズについて、工学的な視点も交えながらかなり深く掘り下げて解説してきました。コンパクトカーでありながらホンダのスポーツマインドが凝縮されたフィットRSは、知れば知るほどその設計の奥深さに驚かされますよね。
前輪駆動車特有のトルクステアを排除して純粋なステアリングインフォメーションを実現するための「インセット+68」というホンダ独自のこだわりや、185mmのエコタイヤから215mmの極太ハイグリップタイヤまでをしっかりと呑み込むシャシーの懐の深さは、まさにこの車ならではの大きな魅力です。結論として、フィットRSのタイヤサイズ選びに「万人が正解とするたった一つの答え」は存在しません。毎日の通勤や買い物で高効率なCVTの燃費を最大限に引き出し、乗り心地よく経済的に走りたいのであれば、15インチや16インチの細身のタイヤがベストでしょう。週末のワインディングを気持ちよく駆け抜けたいなら、16インチのスポーツコンフォートタイヤが素晴らしい相棒になってくれます。そして、サーキットのラップタイムを削り取るために、乗り心地やタイヤの寿命を度外視してでも極限のコーナリングフォースを手に入れたいのであれば、17インチや215mm幅のタイヤとシビアなキャンバー調整というイバラの道に挑戦するのも、また一つの立派な正解です。
最も重要なのは、ご自身のライフスタイルと明確な「用途」をしっかりと定義した上で、それに適したタイヤとホイールの組み合わせを選ぶことです。最後になりますが、足回りのカスタマイズは見た目や速さだけでなく、バネ下重量の増加によるブレーキへの負担、ロードインデックス不足によるバーストの危険、そしてスピードメーター誤差による車検不適合など、皆さんの人生や財産、そして安全や法律に直結する非常にデリケートな部分です。当ブログでお伝えした情報はあくまで一般的な目安として活用していただき、最終的な部品の選定や作業は、必ず信頼できるプロの整備士や専門家にご相談ください。適切なタイヤ選びで、皆さんのフィットRSライフがより安全で、よりエキサイティングなものになることを心から応援しています!
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