冬の足音が聞こえてくると、悩まされるのがスタッドレスタイヤ選びですよね。特に「ブリヂストンとヨコハマ、結局どっちがいいの?」というのは、多くのドライバーが抱える永遠のテーマかなと思います。北海道や東北のような過酷な環境に住んでいる方だけでなく、都心部での急な降雪に備えたい方にとっても、この2つのメーカーは選択肢の最有力候補になりますよね。ネットで検索してみても、寿命や価格、氷の上で滑るか滑らないかなど、いろんな情報が出てきて余計に迷ってしまうこともあるかもしれません。私自身も毎年のようにカタログを見比べては頭を悩ませています。カタログ上のスペックも大事ですが、実際に履いてみた感覚や、お財布事情とのバランスも無視できません。今回は、スタッドレスタイヤ界の2トップとも言えるブリヂストンの「ブリザック VRX3」と、横浜ゴムの「アイスガード 7 (iG70)」について、私が調べた情報や感じたことをまとめてみました。専門的な難しい話というよりは、いちドライバーとして「ここがポイントだな」と思った部分を共有できればと思います。
- VRX3とiG70の技術的な違いと性能差
- 氷上での滑りにくさとブレーキ性能の比較
- タイヤ単体および4本セットの実勢価格差
- コスパと安心感のどちらを優先すべきかの判断基準
## ブリザックとアイスガードの性能比較と選び方

まずは一番気になる性能面から見ていきましょう。どちらも素晴らしいタイヤであることは間違いないのですが、実はアプローチの仕方が結構違うんです。それぞれの特徴を知ることで、自分の運転環境に合ったタイヤが見えてくるかなと思います。
VRX3とiG70の決定的な違い

この2つのタイヤ、最大の違いは「水」への対処方法と、市場での立ち位置にあります。ブリヂストンのVRX3は長年トップシェアを誇るだけあって、「信頼と実績」の塊みたいなタイヤですね。特に北海道や北東北での装着率が高いのは、多くのドライバーがその性能を肌で感じている証拠かなと思います。
実際、ブリヂストンは北海道・北東北主要5都市において、20年連続で装着率No.1という驚異的な記録を持っています(出典:株式会社ブリヂストン『BLIZZAK VRX3 ニュースリリース』)。これだけの長い期間、雪国で選ばれ続けているという事実は、カタログスペック以上の説得力がありますよね。
一方で、横浜ゴムのアイスガード7(iG70)も負けていません。「YOKOHAMAスタッドレスタイヤ史上最大」の性能向上を謳っていて、実際に性能面でもブリザックにかなり肉薄している印象です。個人的には、VRX3が「絶対的な王者」だとすれば、iG70は「猛烈に追い上げる実力派の挑戦者」といった立ち位置に見えますね。どちらも最新技術の結晶ですが、王道の安心感をとるか、進化した技術力への期待をとるか、ここが最初の分かれ道になりそうです。
氷上性能と滑りにくさの評価

冬の道で一番怖いのは、やっぱり氷の上で滑ることですよね。特に日中に溶けた雪が夜に再凍結してできる「ミラーバーン」は、鏡のようにツルツルで本当に怖いです。この氷の上で滑る原因、実は氷そのものではなく、タイヤと氷の間にできる「水膜」なんです。
水膜現象(すいまくげんしょう)とは?
車の重さによる圧力や、タイヤの回転による摩擦熱で氷の表面が瞬間的に溶け、ミクロレベルの薄い水膜が発生します。これが潤滑剤のようになって、タイヤを滑らせてしまうんです。つまり、この「水」さえ除去できれば、タイヤは氷にしっかり食いつくことができます。
VRX3もiG70も、この「水膜」をどうやって除去するかという点に全力を注いでいます。どちらも高いレベルで滑りにくさを実現していますが、そのアプローチが違うので、ハンドルの手応えや滑り出しの感覚には多少の違いがあるかもしれません。VRX3はググッと氷を噛むような粘り強さを感じやすく、iG70はピタッと吸い付くような接地感があると言われることが多いですね。
発泡ゴムと吸水ゴムの技術差

ここが一番面白いポイントです。メーカーによって「水」の処理方法が全く異なるんですよね。
ブリヂストン:発泡ゴム(物理的アプローチ)
ブリザックといえば有名なのが「発泡ゴム」です。ゴムの内部に無数の気泡(空気の部屋)があって、その気泡が物理的に水を捉えて排水する仕組みです。さらに、気泡があることでゴム自体が柔らかくなり、デコボコした氷の表面に密着しやすくなるというメリットもあります。「スポンジで水を拭き取る」というよりは、「ミクロの溝で水をかき出す」イメージに近いかもしれません。
ヨコハマ:吸水ゴム(化学的アプローチ)
対するアイスガードは「吸水ゴム」という技術を使っています。iG70では「ウルトラ吸水ゴム」へと進化しており、新開発の吸水スーパーゲルや、マイクロ吸水バルーンといった素材が配合されています。これらは素材自体がスポンジのように水を吸い上げる、化学的なアプローチと言えるでしょう。水膜を瞬時に吸収することで、タイヤのゴムを氷に直接触れさせる技術です。
ユーザーとしては「物理的に水をかき出す構造」か、「素材の力で水を吸う化学力」かという、エンジニアリングの好みの違いで選んでみても面白いかなと思います。
雪道での制動力はどっちが上か

「結局どっちが止まるの?」という質問には、正直なところ「どちらもすごく止まる」と答えるのが正解に近い気がします。ただ、メーカー発表のデータを見ると、両者ともに前モデルからの大幅な進化を遂げています。
iG70は、前のモデル(iG60)と比較して氷上ブレーキ性能が14%も向上しています。これはかなりの進化幅で、VRX3の性能にかなり迫っていると言われています。一方のVRX3も、名作と言われたVRX2からさらに氷上ブレーキ性能を20%向上させています。
VRX3は、プレミアムな価格帯に見合うだけの圧倒的な制動力を持っています。「とにかく一番いいやつを履いておけば安心」という心理的な安心感は、やはりブリザックに分があるかもしれません。急ブレーキが必要になるような緊急事態で、あと数センチ手前で止まれるかどうか。その極限の性能にお金を払う価値は十分にあるでしょう。でも、iG70もその差をほとんど感じさせないレベルまで進化しているので、日常の雪道運転で困ることはまずないでしょう。
最新モデルの口コミとユーザー評判

ネット上のレビューやSNSでの声をリサーチしてみると、面白い傾向があります。
VRX3に関しては、「さすがブリザック、安定感がある」「高いけど買ってよかった」という、性能への信頼に基づいた高評価が非常に多いです。期待値が非常に高い商品であるにもかかわらず、それに応えているのがすごいところですね。「滑るかも」という不安を感じさせない精神的な余裕を買っているという意見も目立ちます。
一方でiG70は、「この値段でこの性能なら大満足」「VRX3と迷ったけどiG70にして正解だった」という、コスパを含めた満足度が非常に高い印象を受けます。価格.comなどのレビューでも満点に近いスコアが出ていることがあり、ユーザーの「いい買い物をした」という実感が伝わってきますね。性能に妥協はしたくないけれど、無駄な出費は抑えたいという層に深く刺さっているようです。
ブリザックとアイスガードの価格比較と寿命

性能が拮抗しているなら、次に気になるのはやっぱりお値段ですよね。タイヤは消耗品ですし、決して安い買い物ではないので、コストパフォーマンスは超重要です。ここではお財布への優しさを比べてみましょう。
タイヤ単体とセットの値段

ざっくり言うと、ブリザック VRX3の方が価格は高めです。サイズにもよりますが、1本あたり数千円の違いが出てきます。これはVRX3が「プレミアム」な位置づけであり、そのブランド力と実績への「安心料」が含まれていると考えられます。
アイスガード iG70は、VRX3よりは安く設定されていますが、決して「安かろう悪かろう」ではありません。性能に見合った適正価格という印象ですが、VRX3という高価格帯のライバルがいるため、相対的にかなりお得感があります。
| モデル | 価格帯のイメージ | 特徴 |
|---|---|---|
| Bridgestone VRX3 | プレミアム / 最高価格帯 | 絶対的な安心と実績への対価 |
| Yokohama iG70 | ハイパフォーマンス / コスパ優位 | 性能と価格のバランスが優秀 |
4本セット購入時の実勢価格

スタッドレスタイヤは4本セットで買うことがほとんどだと思いますが、ここで差が大きく開きます。オークションサイトや量販店のデータを見ると、同サイズ(例えば一般的なミニバンサイズなど)で比較した場合、4本セットで約20,000円程度の価格差が出ることもあるようです。
2万円って結構大きいですよね。iG70を選べば、その浮いたお金でホイールのグレードを上げたり、交換工賃に充てたりすることができます。あるいは、冬のドライブ旅行で美味しいものを食べに行ったりすることもできちゃいます。家族がいる方にとって、この「総額での差」は、iG70を選ぶ大きな理由になり得るかなと思います。
寿命と経年劣化への耐久性

スタッドレスタイヤはゴムの柔らかさが命です。溝が残っていても、ゴムが硬くなってしまうと氷の上で効かなくなってしまいますからね。この点において、ブリザックの発泡ゴムは非常に優秀です。
発泡ゴムは、気泡がクッションの役割を果たすため、ゴム自体がすり減っても新しい気泡が出てきて柔らかさが持続します。経年劣化に強く、「3〜4年は性能を維持したまま使える」と評判なのも、この技術があるからこそです。初期費用は高くても、長く使えるなら結果的に元が取れるという考え方もできます。
もちろん、アイスガードも負けてはいません。ヨコハマのゴム技術も年々進化していて、オレンジオイルなどを配合することで経年による硬化を抑える工夫がされています。「永く効く」というキャッチコピー通り、数シーズンは安心して使えます。ただ、「圧倒的に長持ちする」というブランドイメージにおいては、今のところブリザックが一歩リードしている印象は否めません。
摩耗性能と経済性のバランス

タイヤが減りにくいかどうかも大事なポイントです。日本の冬は常に雪が積もっているわけではなく、乾いたアスファルトを走る機会も多いですよね。柔らかいスタッドレスタイヤは、乾いた路面ではどうしても減りが早くなってしまいます。
VRX3は、前のモデル(VRX2)に比べて摩耗ライフを17%向上させています。柔らかいのに減りにくいという、矛盾する性能を高い次元で両立させているのはさすがです。iG70も接地面積を増やすことで摩耗を抑える設計になっています。
初期投資(購入価格)と寿命(使える年数)のバランスをどう考えるか。初期費用を抑えたいならiG70、多少高くても長く安心して使い倒したいならVRX3、という選び方も一つの正解かもしれません。
コスパ重視ならどっちを選ぶ

ズバリ、コストパフォーマンスを最優先するなら、私はアイスガード iG70をおすすめします。VRX3に肉薄する性能を持ちながら、セットで買うと明確に安いというのは、家計を預かる身としては非常に魅力的です。
特に、「最高性能じゃなきゃ不安だけど、予算も抑えたい」というワガママな(でも当たり前の)要望に応えてくれるのはiG70かなと思います。浮いた予算で、万が一のためのタイヤチェーンを購入しておけば、鬼に金棒ではないでしょうか。
iG70がおすすめな人
性能にはこだわりたいけど、VRX3の価格にはちょっと手が出ない…、浮いたお金を他の冬支度に回したい、という方にはベストな選択肢です。
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ブリザックとアイスガードの比較総括


最後に、これまでの比較をまとめてみます。結局のところ、どちらを選んでも「失敗した!」となることはまずない素晴らしいタイヤたちです。
- Bridgestone BLIZZAK VRX3 を選ぶべき人:
- 絶対的な安心感が欲しい方
- 北海道や東北など、雪深い地域や凍結路面を走る機会が多い方
- プロドライバーも認める「No.1の実績」を重視する方
- 「高くても一番いいものを長く使いたい」という方
- Yokohama iceGUARD 7 (iG70) を選ぶべき人:
- 性能と価格のバランス(コスパ)を重視する方
- 浮いた予算をホイールや工賃、レジャーに使いたい方
- 最新の吸水ゴム技術を試してみたい方
- VRX3に近い性能をより手頃な価格で手に入れたい「賢い選択」をしたい方
あなたの冬のドライブが、安全で快適なものになることを願っています。タイヤ選びの参考にしていただければ嬉しいです!
※本記事に掲載している価格や性能に関する情報は、執筆時点での一般的な目安です。実際の価格は店舗や時期によって変動します。
※タイヤの性能は路面状況や気象条件によって大きく異なります。最終的な判断は、タイヤショップ等の専門家にご相談の上、自己責任でお願いいたします。







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