ハイフライ オールシーズンタイヤの評判は？欧州テストで判明した雪道性能と「凍結」の限界

最近、ネット通販のAUTOWAY（オートウェイ）さんなどで、すごく価格の安い「ハイフライ（HIFLY）」というメーカーのタイヤを見かけるようになりましたよね。特にオールシーズンタイヤは、年中履きっぱなしOKという手軽さもあって、気になっている方も多いんじゃないかなと思います。

私自身も、「この価格でオールシーズン性能が手に入るなら…」と、かなり興味を持って調べてみた一人です。

ただ、同時に「ハイフライってどこの国のメーカー？」「そんなに安くて性能は大丈夫？」「雪道や凍結、アイスバーンで本当に走れるの？」といった、率直な疑問や不安も出てきますよね。国内での評判や口コミもまだ少ないですし、特に商用車（ハイエースなど）で検討している方や、ナンカンやケンダといった他のアジアンタイヤと比較してどうなのか、迷うポイントはたくさんあると思います。

この記事では、そんなハイフライのオールシーズンタイヤについて、私なりに海外のレビューや客観的なテストデータまで掘り下げて調べた情報を、分かりやすくまとめてみました。この記事を読めば、ハイフライタイヤがあなたの使い方に合っているか、きっと判断しやすくなるかなと思います。

ハイフライ オールシーズンタイヤの評判と性能

まずは、ハイフライというブランドの基本的な情報と、気になる性能や実際の評判について掘り下げてみますね。価格が安いだけに、「安かろう悪かろう」ではないか、その実力がどれほどのものか気になるところです。

ハイフライとは？メーカーと信頼性

「ハイフライ（HIFLY）」と聞いても、あまり馴染みがないかもしれませんね。それもそのはず、ハイフライは特定の国を拠点とするメーカー名というより、中国の大手タイヤメーカー「山東恒豊ゴム・プラスチック株式会社（Shandong Hengfeng Rubber & Plastic Co., Ltd.）」が所有するブランドの一つなんです。

1995年に設立された会社で、中国国内だけでなく、ヨーロッパや北米をはじめ世界80カ国以上にタイヤを輸出している、かなりグローバルな企業なんですね。年間数百万本という生産能力を持つ近代的な工場で製造されているようです。

「中国製」と聞くと、ひと昔前のイメージで品質を心配されるかもしれませんが、今の時代、特にグローバルに展開しているメーカーは品質管理が非常に厳格です。ハイフライのタイヤも、国際的な品質基準をしっかりクリアしています。

これだけ見ても、いわゆる「どこの馬の骨か分からない怪しいメーカー」ではなく、規制の厳しい主要市場で法的に認められた、世界基準の工場でしっかり製造されていることが分かります。ヨーロッパの一部では「ミッドプレミアムブランド」として、価格以上の価値があるタイヤとして認識されている側面もあるみたいですよ。

ちなみに、このHengfeng社はハイフライ以外にも「Sunfull（サンフル）」や「Ovation（オベーション）」といったブランドも展開しており、巨大なタイヤメーカーグループであることが伺えます。

性能レビューと海外の口コミ

では、実際の性能はどうなんでしょうか。日本国内ではオートウェイさんでの流通がメインということもあり、大手国内メーカーに比べるとレビュー数はまだ少ないです。そこで、海外のユーザーレビューを中心に見てみました。

乗用車向けの「ALL-TURI 221」というモデルでは、「価格の割に驚くほど良い」「コストパフォーマンスが信じられない」という肯定的な声が目立ちます。

中には、「以前履いていた高価なミシュランタイヤよりも快適性が高い」といった静粛性や乗り心地を評価する声。さらには、「大雪で他の車が立ち往生する中、このタイヤで問題なく走れた！」といった、雪上性能を称賛するレビューもありました。

ただ、これらのレビューはあくまで個々のドライバーの主観的な感想である点には、最大限の注意が必要です。特に「氷や雪で立ち往生したことがない」といった証言は、そのドライバーの運転技術や、走行した路面状況（例えば、気温がそれほど低くない地域のシャーベット状の雪）に大きく依存します。

日本のドライバーが遭遇するような、夜間にカチカチに凍った交差点のアイスバーンとは、全く異なる状況である可能性が高いので、これらの口コミを鵜呑みにして「氷でも大丈夫なんだ」と判断するのは非常に危険かなと思います。この点については、後のセクションで詳しく解説しますね。

競合比較：ナンカンやケンダとの違い

ハイフライを検討するとき、必ずと言っていいほど比較対象になるのが、同じくコストパフォーマンスに優れたアジアンタイヤ、特に台湾メーカーの「NANKANG（ナンカン）」や「KENDA（ケンダ）」ですよね。

これらのブランドも、オールシーズンタイヤ（ナンカンはAW-6、ケンダはKENETICA 4S KR202など）をラインナップしており、「圧倒的なコストパフォーマンス」という点で真っ向から競合しています。レビューを見ても、「国産と遜色ない」「価格を考えれば十分」といった、ハイフライと非常に似た評価が多いです。

では、その中でハイフライを選ぶ決め手は何か？というと、「客観的なデータの有無」が一つ大きなポイントかなと私は思います。

単に「安い」だけでなく、「第三者機関によるテスト実績」や「国際的な冬性能認証」という裏付けがあるのは、私たち消費者にとって大きな安心材料になりますね。これが、他の低価格ブランドに対するハイフライの明確な強みかなと思います。

ブランド	主なモデル	特徴	強み
HIFLY (ハイフライ)	ALL-TURI 221 ALL-TRANSIT	中国大手メーカー製。国際認証多数。	客観的テストデータ（商用） 明確な3PMSF認証
NANKANG (ナンカン)	AW-6	台湾の老舗。日本での実績・知名度が高い。	レビュー数の多さ ブランドの安心感
KENDA (ケンダ)	KR202	台湾メーカー。自転車タイヤでも有名。	バランスの取れた性能 コスパの高さ

価格の安さの秘密とオートウェイ

それにしても、国際認証も取っていて、テストでもある程度の評価を受けているタイヤが、なぜこんなに安いのか気になりますよね。国内メーカーの半額以下になることも珍しくありません。

その最大の理由は、日本での独自の流通チャネルにあります。

ハイフライタイヤは、日本国内においては主にインターネットのタイヤ通販大手「AUTOWAY（オートウェイ）」さんを通じて販売されています。このビジネスモデルは、従来のタイヤ流通とは大きく異なります。

従来の流通：
メーカー工場 → 商社 → 卸売業者 → 小売店（タイヤショップ） → 消費者

オートウェイのモデル：
メーカー工場 → AUTOWAY（大量仕入れ） → 消費者（Eコマース）

つまり、商社や卸売業者、小売店といった中間マージンが徹底的にカットされているんですね。メーカー（Hengfeng社）の製造コストの安さに加え、このeコマースによる直販に近い形態が、あの驚異的な低価格を実現しているんです。

この「国際認証やテスト実績による信頼性」と「オートウェイによる徹底した低価格」の組み合わせこそが、ハイフライの最大の魅力である「無類のコストパフォーマンスの高さ」を生み出しているんだと思います。

商用車用ALL-TRANSITの実力

ハイエースやキャラバン、NV350、ボンゴといった商用バン（ライトトラック）に乗られている方にとって、「ALL-TRANSIT」というモデルも気になるところだと思います。このタイヤは、日本の車検にも対応する「C」規格（LT規格）タイヤです。

乗用車用タイヤと比べて、商用車用はさらに情報が少ないのですが、このALL-TRANSIT、実はヨーロッパの権威あるドイツの自動車雑誌『Autobild Reisemobiel』が2020年に実施したキャンピングカー用タイヤテスト（サイズ 235/65R16C）で、客観的な評価を受けています。

Autobild 2020年 テスト結果 (235/65R16C)

結果は、ミシュランやコンチネンタルといった並み居るプレミアムブランドがひしめく中、「8製品中7位」。

「なんだ、7位か…」と思うかもしれませんが、そうではありません。このテストで、ALL-TRANSITは「Satisfactory（満足のいく）」という総合評価を獲得しました。低価格帯のブランドとしては、これは「素晴らしい結果（excellent 7th place）」と評されています。

特に評価された点（長所）と、弱点として指摘された点（短所）が非常に興味深いです。

このテスト結果は、ハイフライのオールシーズンタイヤの特性を明確に示しています。

まず、長所として「雪上でのハンドリング」が客観的に「良好」と評価されています。これは、後述する3PMSF認証が伊達ではないことを証明しており、冬用タイヤとしての基本的な性能（軽度の雪）は備えていることが証明されたと言えますね。

一方で、最大の弱点は「雨の日（ウェット路面）のブレーキ性能」であることも判明しました。これは、ハイフライを選ぶ上で消費者が認識すべき、最も重要な安全上のトレードオフです。「雪にはそこそこ強いが、雨の日のブレーキは苦手」。この特性は、特に重量のある商用車では強く意識する必要がありそうです。

ハイフライ オールシーズンタイヤの雪道と限界

さて、オールシーズンタイヤとして一番気になるのが、やはり「雪道」での性能ですよね。3PMSFマークは付いているけれど、日本の冬で本当に通用するのか。ここでは、その性能の「限界」について、正直にお伝えします。

雪道での走行性能は？

結論から言うと、ハイフライのオールシーズンタイヤは「軽い雪道（新雪、圧雪が浅い道）まで」が前提です。これはハイフライに限らず、ほとんどのオールシーズンタイヤに共通する特性ですね。

先ほどのAutobildのテストでも「雪上での良好なハンドリング」と評価されたように、突然の降雪や、都市部でたまに積もる程度の雪（積雪5～10cm程度までが目安かなと思います）であれば、十分に対応できる性能を持っていると考えて良さそうです。サマータイヤ（夏タイヤ）ではまず不可能な「雪道での発進・停止・旋回」がある程度できる、というイメージです。

しかし、日常的に大雪が降る「豪雪地帯」でのメインタイヤとして使うのは、さすがに厳しいかなと思います。スタッドレスタイヤと比べると、ゴムの柔らかさやサイプ（溝）の深さ・形状が根本的に違うため、深い雪をかき分ける力（排雪性能）や、圧雪路でのグリップ力には限界があります。

あくまで「万が一の雪にも対応できる、履きっぱなしOKな夏タイヤ」という位置づけで考えるのが正しいですね。

3PMSFとチェーン規制の関係

ハイフライのオールシーズンタイヤには、「3PMSF（スリーピークマウンテン・スノーフレーク）」という、山の絵の中に雪の結晶が描かれたマークが刻印されています。

このマーク、よく似た「M+S（マッド＆スノー）」とは全く意味が違います。

• M+S（マッド＆スノー）：「泥や雪でも走れる」というタイヤのトレッドパターン（溝の形状）に基づく自己申告的な表示。法的な冬性能の担保はありません。
• 3PMSF：ヨーロッパの公的基準に基づき、圧雪路での制動・駆動性能が規定のレベルをクリアしたことを示す「公式な冬用タイヤの証」です。

この3PMSFマークがあることで、日本の高速道路における規制と深く関わってきます。ここ、よく誤解されがちなので注意してください。

「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」は別物です

日本の冬の高速道路には、大きく分けて2つの規制があります。

1. 「冬用タイヤ規制」の場合
   高速道路などで「冬用タイヤ規制」が実施されている場合、3PMSFマークが刻印されたオールシーズンタイヤ（ハイフライを含む）は、走行が許可されます。これはスタッドレスタイヤと同様の扱いを受けます。
2. 「チェーン規制」の場合
   より深刻な降雪や路面状況で発令される「チェーン規制」の場合、いかなるタイヤもチェーンの装着が義務付けられます。
   これは、3PMSFマークのあるオールシーズンタイヤや、高性能なスタッドレスタイヤであっても例外ではありません。（出典：国土交通省 チェーン規制Q&A）

「3PMSFマークがあるから、どんな雪道規制でも大丈夫」というわけではない、という点はしっかり覚えておきたいですね。大雪が予想される場合は、オールシーズンタイヤであってもチェーンを携行するのが賢明です。

凍結やアイスバーンでの限界

ここが最も重要なポイントであり、ハイフライ（というよりオールシーズンタイヤ全般）の最大の弱点です。

ハイフライを含むすべてのオールシーズンタイヤは、「アイスバーン（凍結路面）」にはほぼ対応できません。

なぜなら、オールシーズンタイヤのゴムは、夏場の高温から冬場の低温（雪上）まで、広い温度域に対応できるように設計されている反面、スタッドレスタイヤのように「氷点下で柔らかさを保つ」という特殊な配合（発泡ゴムなど）にはなっていないからです。

気温が0℃を下回り、路面が凍結し始めると、オールシーズンタイヤのゴムは硬化し、氷の上でツルツルと滑ってしまいます。これは、海外のレビューで「氷で止まれた」という声があったとしても、それは気温が0℃前後のシャーベット状の氷かもしれません。

アイスバーンでの使用は絶対に危険です

日本の都市部でよくある「ブラックアイスバーン（路面が濡れているように見える薄い氷）」や、橋の上、トンネルの出入り口、日陰の交差点でカチカチに凍った路面では、ほぼ間違いなくスリップします。

ブレーキを踏んでも止まらず、ハンドルを切っても曲がらない。それが凍結路面です。海外のレビューを過信して「ハイフライなら大丈夫」と思うのは、命に関わる重大な誤解につながりかねません。

凍結の恐れがある地域にお住まいの方や、スキー・スノボ、冬キャンプなどで山間部へ行く予定がある方は、絶対にオールシーズンタイヤを過信せず、迷わずスタッドレスタイヤを選択するか、必ずタイヤチェーンを携行してください。

アイスバーンにも強いオールシーズンタイヤもあります。割高にはなってしまいますが⇒シンクロウェザー評判と口コミ解析！購入前の必読情報

雪に関する国内の評判と注意点

国内のユーザーレビューを少数ながら見てみても、「圧雪になる前の新雪なら走れた」という声がある一方で、「国産のスタッドレスタイヤと比較すると、やはり凍結路面には弱い」「滑り出しが早い」という声がやはり確認できます。

また、雪や氷以外の性能面でも、オールシーズンタイヤ特有の「トレードオフ（何かを得るために何かを失うこと）」があります。

これらの特性を理解した上で、ご自身の安全運転を心がけることが大切です。タイヤの性能はあくまで補助的なものであり、最終的な安全性はドライバーの判断に委ねられます。少しでも不安がある場合は、お近くのタイヤ専門店や整備工場に相談することをお勧めします。

ハイフライおすすめ店舗＝オートウェイ

オートウェイは、圧倒的な低価格とスピード配送が魅力のタイヤ通販サイトです。アジアンタイヤを中心に、国産タイヤも取り扱っているため、コスパ重視の方にぴったり。

全国3,500以上の提携店舗「タイヤピット」での取付サービスも充実しており、オンラインで購入後すぐに交換予約が可能。安く・早く・手軽にタイヤ交換をしたいなら、オートウェイがおすすめです！

まとめ：ハイフライ オール シーズン タイヤの選び方

さて、ここまでハイフライのオールシーズンタイヤについて詳しく見てきました。情報を総括すると、このタイヤは以下のような方に最適な選択肢と言えそうです。

ハイフライは、「どこの国か分からない怪しいメーカー」などではなく、世界80カ国以上で販売され、国際認証（DOT, ECE）や客観的なテスト（Autobild）、そして冬用タイヤとしての公式認証（3PMSF）という「価格以上の信頼性の証拠」を持っていることが分かりました。

一方で、その限界も明確です。アイスバーンには絶対に対応できず、豪雪地帯での常用にも適しません。また、モデルによっては雨の日のブレーキ性能に弱点があります。

これらの「強み」と「明確な弱点」をしっかり天秤にかけ、ご自身の車の使い方、お住まいの地域の気候、そして何より「ご自身がタイヤに何を一番求めるのか」をじっくり検討してみてくださいね。

この記事が、あなたのタイヤ選びの参考になれば幸いです。

※本記事に記載されている性能評価や価格、テスト結果は、あくまで調査時点での一般的な情報や個人の見解を含むものです。タイヤの性能は、装着する車両や運転スタイル、空気圧、路面状況によって大きく異なります。最終的な製品の選定や安全に関する判断は、ご自身の責任において、必要に応じて専門の販売店や整備士にご相談ください。