【完全ガイド】タントのタイヤチェーン選び方｜サイズ・種類・付け方も解説

冬のドライブ、特に雪道での安全対策は、ドライバーにとって最も重要な責務の一つです。ダイハツ・タントにお乗りの方で、万が一の降雪に備えてタイヤチェーンの準備を考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ選ぶとなると、「自分のタントに合うサイズはどれなのか」「金属製や最近よく聞く布製など、種類が多くてどれがおすすめなのか」「そもそも付け方が簡単なものはあるのか」といった、様々な疑問が次々と浮かんでくるものです。

タイヤチェーンは、決して安い買い物ではなく、何より安全に直結するアイテムだからこそ、選択に失敗したくありませんよね。

この記事では、そんなタントのタイヤチェーンに関するあらゆる疑問を、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。それぞれのチェーンの特性から、あなたの使い方に最適な一品を見つけるための具体的な情報まで、この記事一本で全てが理解できるように構成しました。ぜひ最後までご覧いただき、安心して冬を迎えられる準備を整えましょう。

初めてのタント タイヤ チェーン選び

まずはタイヤサイズの確認から

タントのタイヤチェーンを選ぶ上で、最も重要で、全ての基本となるのがご自身のタイヤサイズを正確に把握することです。もしサイズが合わないチェーンを購入してしまうと、全く装着できないだけでなく、無理に装着できたとしても走行中に外れてしまい、タイヤハウスの内部やブレーキホースを破損させるなど、重大な事故につながる危険性があります。

タントのタイヤサイズは、年式やグレードによって異なります。歴代モデルの代表的な標準サイズは以下の通りです。

ただし、これはあくまで代表例です。中古車で購入した場合や、オプションのアルミホイール、社外品のホイールに交換している場合は標準サイズと異なる可能性があるため、必ず現物で確認する習慣をつけましょう。

タイヤサイズの確認方法

タイヤサイズの確認は非常に簡単で、工具なども一切必要ありません。タイヤの側面（サイドウォール）に刻印された、下記のような数字とアルファベットの組み合わせを探してください。これがそのタイヤのサイズを示しています。

この数値を正確にメモし、購入するチェーンのパッケージや公式サイトの適合表で、ご自身のタイヤサイズが記載されていることを必ず確認してください。

金属製は価格と凍結路に強い

金属製タイヤチェーンは、古くから存在する最もオーソドックスなタイプです。その最大の魅力は、他のタイプに比べて価格が安価であること、そして凍結路（アイスバーン）での非常に強力なグリップ力にあります。

形状には「はしご型」と「亀甲型」がありますが、現在主流なのは横滑りにも強い「亀甲型」です。金属の鎖が氷雪路面に深く食い込むことで、特に凍結した坂道での登坂・発進時に絶大な安心感をもたらします。

一方で、デメリットも明確です。金属製であるため走行中の振動が大きく、「ガチャガチャ」という騒音も時速30km程度で車内の会話が困難になるほど大きくなります。乗り心地は快適とは言えず、長距離の移動には向きません。また、装着にはある程度の力とコツが必要で、特に初めての方や力の弱い方には難しく感じられることがあります。

とにかくコストを最優先したい方、年に一度使うかどうかの「お守り」として備えたい方、あるいは凍結しやすい山間部にお住まいで、登坂性能を重視する方には、今でも金属製チェーンは有力な選択肢です。

非金属製は乗り心地を重視

現在、タイヤチェーンの主流となっているのが、ウレタンエラストマーなどの樹脂素材で作られた非金属製チェーンです。金属製に比べて乗り心地が格段に良く、走行音が非常に静かなのが最大のメリットです。

高性能なウレタン素材は、柔軟性に富むため路面からの衝撃をしなやかに吸収し、低温環境でも硬くなりにくい特性を持っています。これにより、チェーン装着時特有の不快な振動や騒音を大幅に低減し、快適なドライブを可能にします。

また、多くの製品が「装着のしやすさ」を徹底的に追求して設計されているのも大きな特徴です。車の移動やジャッキアップが不要なモデルがほとんどで、力をあまり必要としないロック機構などを採用しているため、女性や初心者の方でも安心して取り扱うことができます。

凍結路でのグリップ力も、トレッド面に埋め込まれた超硬マカロニピンなどの金属製スパイクによって、金属製チェーンに引けを取らない高い性能を発揮する製品が多数存在します。

手軽さが魅力の布製チェーン

布製チェーン（スノーソックスとも呼ばれます）は、近年急速に普及している新しいタイプの滑り止めです。その名の通り特殊な繊維で作られた布製のカバーで、最大の特徴は圧倒的な取り付けの手軽さにあります。タイヤに靴下を履かせるような感覚で被せるだけなので、力に自信のない方でも短時間で簡単に装着を完了できます。

特殊な繊維が雪や氷の表面にある水分を吸収し、路面との摩擦力を高めることでグリップを生み出します。また、非常に軽量で折り畳めばコンパクトに収納できるため、トランクの隅に常備しておいても全く邪魔になりません。走行音も非常に静かで、乗り心地もチェーンを装着していない状態とほとんど変わらないのも大きな魅力です。

しかし、その手軽さと引き換えに、耐久性は金属製や非金属製に比べて劣ります。アスファルトが露出した乾いた路面を走行すると、急速に摩耗して破れてしまうため、あくまでも雪道や凍結路専用の緊急用アイテムと考えるべきです。

ただし、その性能から豪雪地帯への長距離移動には不向きなため、「普段は雪が降らない地域に住んでいるが、万が一のための備えとして持っておきたい」という方に最適なアイテムと言えるでしょう。

価格と性能のバランスで選ぶ

ここまで紹介した3種類のタイヤチェーンは、それぞれに長所と短所があります。どれか一つが絶対的に優れているというわけではなく、ご自身の使い方や予算、何を重視するかによって最適な選択は変わってきます。

例えば、「年に一度、降るか降らないかの雪に備えるための保険」としてなら最も安価な金属製チェーン、「毎冬のアウトドアレジャーで快適に移動したい」なら非金属製チェーン、「とにかく緊急時に簡単に装着できるものが欲しい」なら布製チェーン、というように、ご自身の利用シーンを具体的にイメージすることが失敗しないチェーン選びのコツです。

以下の比較表で、それぞれの特徴を改めて整理してみましょう。

種類	価格帯の目安	こんな人におすすめ	グリップ力	快適性	手軽さ	耐久性
金属製	3,000円～10,000円	コスト最優先の方、凍結した坂道対策をしたい方	◎	△	△	○
非金属製	15,000円～30,000円	性能・快適性・手軽さのバランスを求める方、長距離移動する方	○	◎	○	○
布製	8,000円～15,000円	非降雪地域在住で緊急用に備えたい方、装着の簡単さを最優先する方	△	◎	◎	△

この表を参考に、ご自身が最も重視する項目を軸に、予算とのバランスを考えながら最適なタイプを選んでください。

装着輪はFFも4WDも前輪

タイヤチェーンを装着する際に、「どのタイヤに取り付ければ良いのか？」という疑問は、特に初心者の方が抱きがちなポイントです。特に4WD（四輪駆動）のタントにお乗りの方は、4輪全てに装着すべきか悩むこともあるでしょう。

これに関する結論は明確です。タントの場合は駆動方式（FF/4WD）に関わらず、必ず前輪（フロントタイヤ）に装着してください。

これは、タントがFF（前輪駆動）をベースとした車両であり、車の進行方向を決める「操舵輪」と、車を前に進める主要な「駆動輪」の役割を前輪が担っているためです。前輪にチェーンを装着することで、雪道での発進・加速性能と、ハンドル操作の安定性を最も効率よく確保できます。この点については、メーカーであるダイハツの公式サイトでも明記されています。（出典：ダイハツ工業株式会社 FAQ）

後輪への装着は絶対にNGです

仮に駆動輪ではない後輪にチェーンを装着してしまうと、カーブやブレーキ時に前後のグリップバランスが著しく崩れ、ハンドル操作が効かずにスピンしてしまうなど、非常に危険な状態を招きます。必ず取扱説明書の指示通り、左右の前輪2本に正しく装着するようにしてください。

種類別タント用タイヤチェーンの特徴

人気のおすすめ非金属チェーン

現在、タントのタイヤチェーンとして最も人気があり、多くの方から支持されているのが非金属チェーンです。その中でも、特に信頼性と実績で高い評価を得ているのが、カーメイト社の「バイアスロン クイックイージー」シリーズです。

この製品が長年にわたり支持される最大の理由は、「JASAA認定品」であるという公的な信頼性の高さにあります。JASAA（一般財団法人 日本自動車交通安全用品協会）は、タイヤチェーンの性能を客観的に評価する第三者機関です。その厳しい基準（600kmの過酷な走行試験を含む）をクリアした製品だけが「JASAA認定品」として認められ、雪道での安全性と信頼性が保証されます。

バイアスロン クイックイージーの優れた特徴

• 簡単・確実な3点ロック機構：タイヤの前後、そして外側の3箇所でロックする独自の機構により、力を均等に分散させ、女性でも簡単かつスピーディーに確実な装着が可能です。
• 強力な超硬スパイクピン：一般的な金属の10倍以上の硬度を持つ超硬マカロニピンを108本も埋め込むことで、アイスバーンでも驚くほどのグリップ性能を発揮します。
• 信頼の日本製と高性能素材：極寒の状況でも硬くなりにくく、切れにくい高性能ポリウレタンエラストマーを採用。国内工場で生産される品質の高さも安心材料です。

タントの適合品番例（バイアスロン クイックイージー）

タントの主な純正タイヤサイズに適合する品番は以下の通りです。スタッドレスタイヤに装着する場合など、タイヤの銘柄によって適合が変わることがあるため、購入前には必ずカーメイト公式サイトの最新適合情報で最終確認を行ってください。

• 155/65R14の場合： QE2L
• 165/55R15の場合： QE3L

「どのチェーンを買えばいいか分からない」と迷ったら、多くの方が選び、その性能と使いやすさが証明されている「バイアスロン クイックイージー」を選んでおけば、まず後悔することはないでしょう。

純正品と社外品の違いとは？

タイヤチェーンには、ダイハツのディーラーなどで購入できる「純正品」（例：エコメッシュ・ティーロックチェーン）と、カー用品店やインターネット通販で多種多様なメーカーから販売されている「社外品」があります。どちらを選ぶべきか、それぞれのメリット・デメリットを理解して判断しましょう。

安心感を最優先するなら純正品、価格や種類の豊富さで選ぶなら社外品、というのが基本的な考え方です。

	メリット	デメリット
純正品	・タントへの適合がメーカーによって保証されている絶対的な安心感 ・ディーラーのスタッフに相談しながら購入できる信頼性	・価格が社外品に比べて高価になる傾向がある ・選択肢（種類）が限られる
社外品	・価格帯が広く、安価なものから高性能なものまで予算に応じて選べる ・金属、非金属、布製など、あらゆる種類から好みのものを選べる	・自分で適合サイズやクリアランスを正確に確認する必要がある ・メーカーによって品質に差があるため、信頼できる製品を選ぶ目が必要

近年では、前述の「バイアスロン」シリーズのように、社外品でも純正品と同等、あるいはそれ以上の品質と信頼性を持つ製品が数多く存在します。そのため、しっかりと情報収集をして信頼できるメーカーの製品を選ぶのであれば、選択肢の多い社外品の方が満足度の高い買い物ができる可能性が高いと言えるでしょう。

簡単な付け方のポイント

どんなに高性能なタイヤチェーンも、正しく装着されていなければその性能を発揮できません。そして、いざという時に慌てず、安全かつ迅速に装着するための最も簡単で確実な方法は、「購入後、雪が降る前に一度、装着練習をしておくこと」です。

雪が降りしきる寒い屋外で、凍える手で説明書を読みながら初めて装着しようとしても、焦りもあってなかなか上手くいかないものです。この「事前の練習」が、結果的に何よりの時短テクニックであり、安全への最大の投資となります。

一度でも自分でやっておくと、チェーンの構造やコツが理解でき、本番では驚くほどスムーズに作業できます。晴れた暖かい日に、ガレージなどで落ち着いて練習しておきましょう。

練習の具体的なステップ

1. 内容物の確認：まずは箱を開け、チェーン本体や付属品が全て揃っているか確認します。
2. 説明書・動画の熟読：説明書をじっくり読み、メーカーが公開している装着動画があれば、スマートフォンなどで一度最後まで視聴します。
3. 片輪だけで試す：いきなり両輪ではなく、まずは片方のタイヤだけで、説明書の通りに装着・取り外しを一通りやってみます。

また、チェーンを装着する際には、以下のアイテムをチェーンと一緒に車内に常備しておくと、作業が格段に快適かつ安全になります。

チェーン装着時にあると便利なグッズ

• 作業用手袋・防水手袋：必須アイテムです。雪や泥で手が汚れたり、かじかんだりするのを防ぎます。
• ヘッドライト：夜間やトンネル内、悪天候時の作業では視界が悪くなります。両手が自由に使えるヘッドライトがあると非常に安全です。
• 汚れても良い服装や作業用のマット：タイヤ周りは汚れがちです。ひざをついても服が汚れないように、レジャーシートや段ボールがあると便利です。
• スマートフォンの防水ケース：装着動画を見ながら作業する際に、雪や雨からスマートフォンを守ります。

装着時の制限速度と注意点

無事にタイヤチェーンを装着できた後も、安全運転のためにいくつか守るべき重要な注意点があります。チェーンはあくまで緊急用の装備であり、通常のタイヤと同じ感覚で運転することは絶対にできません。

制限速度を必ず守る

タイヤチェーンには、製品ごとに走行可能な速度の上限が厳格に定められています。一般的には、金属製で時速30km以下、非金属製でも時速50km以下とされています。この速度を超えて走行すると、遠心力でチェーンが破損したり、車体が不安定になったりする危険性が高まります。必ず製品の取扱説明書を確認し、指定された速度を厳守してください。

「急」のつく運転は絶対に避ける

チェーン装着時は、タイヤのグリップ性能が通常とは大きく異なり、非常にデリケートな状態です。「急発進」「急ハンドル」「急ブレーキ」といった、急のつく操作はスリップやチェーンの破損に直結するため、絶対に避けてください。先行車との車間距離をいつも以上に十分にとり、先の状況を予測しながら、穏やかで丁寧な運転を心がけることが何よりも重要です。

走行前後の点検を習慣に

チェーンを装着した後は、少し走行（50～100m程度）してから一度停車し、チェーンに緩みがないかを確認（増し締め）する習慣をつけましょう。また、使用後はそのままにせず、泥や融雪剤を洗い流して乾燥させてから保管することで、サビを防ぎ、製品寿命を延ばすことができます。

トンネル内など乾いた路面での走行注意

雪道を走行していると、トンネル内などで一時的にアスファルトが露出した乾いた路面に出ることがあります。このような場所をチェーンを装着したまま高速で走行すると、チェーンの摩耗を急激に進め、破損の原因となります。短い距離であれば速度を十分に落として慎重に通過し、長く続くようであれば、安全な場所で一度チェーンを取り外すのが理想です。

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最適なタント タイヤ チェーンを選ぼう

• タントのチェーン選びはまずタイヤサイズ確認から
• 標準サイズは155/65R14や165/55R15
• タイヤサイズは側面の刻印で確認できる
• チェーンは大きく分けて金属・非金属・布製の3種類
• 金属製は安価で凍結路に強いが乗り心地は悪い
• 非金属製は乗り心地と性能のバランスが良い主流タイプ
• 布製は装着が非常に簡単で緊急用に最適
• 使用頻度や予算に応じて種類を選ぶことが大切
• タントはFF・4WD問わず前輪に装着するのが基本
• 後輪への装着はスピンの危険があるためNG
• 非金属チェーンではバイアスロンクイックイージーが人気
• 安心の純正品と選択肢の多い社外品のどちらかを選ぶ
• 購入後は必ず事前に一度装着練習をしておく
• チェーン装着時は指定された制限速度を厳守する
• 急発進・急ハンドル・急ブレーキは絶対に避ける