新型セレナC28で迎える初めての冬、ご家族とのドライブ計画に胸を膨らませている方も多いのではないでしょうか。しかし、冬の道には予期せぬ降雪や路面凍結がつきものです。そんな時に備えて、タイヤチェーンの準備は万全でしょうか。
いざ探してみると、適合するサイズや値段の相場、オートバックスなどの販売店での品揃え、さらには純正品との違いなど、確認すべき点が多くて戸惑うかもしれません。また、取り付けが簡単な布製が良いのか、具体的な付け方はどうなのか、そして結局どれが一番おすすめなのか、迷ってしまう方も少なくないはずです。
この記事では、そんなセレナC28のタイヤチェーンに関するあらゆる疑問を解消し、あなたのカーライフに最適な一品を見つけるための情報を、より深く、網羅的に解説していきます。
- セレナC28に適合するタイヤチェーンの選び方
- 金属・非金属・布製チェーンそれぞれの特徴と比較
- 取り付けが簡単な人気のおすすめモデル
- 購入前に知っておきたい注意点や価格相場
セレナ c28 タイヤ チェーンの選び方の基本

- まずはタイヤサイズの確認を
- 日産純正タイヤチェーンという選択肢
- オートバックスでの取り扱い状況
- タイヤチェーンの値段相場は?
- ジャッキアップ不要な付け方とは
- 手軽で便利な布製タイヤチェーン
まずはタイヤサイズの確認を

タイヤチェーンを選ぶ上で、何よりも先に、そして絶対に間違えてはならないのがタイヤサイズの確認です。サイズが適合しないチェーンは、そもそも装着ができないか、できたとしても走行中に外れてしまう危険性があります。外れたチェーンが車体を傷つけたり、後続車を巻き込む事故の原因になったりする可能性もゼロではありません。安全な冬のドライブを実現するための、最初の、そして最も重要なステップです。
セレナC28の標準タイヤサイズは「205/65R16」ですが、これはあくまで標準グレードの一例です。購入時のオプションや、後からホイールをインチアップ・インチダウンしている場合など、サイズが異なるケースは十分に考えられます。必ずご自身の車のタイヤを直接目で見て確認してください。
タイヤサイズは、タイヤの側面(サイドウォール)に、他の情報と共に立体的に刻印されています。「205/65R16」という表記は、それぞれ以下の意味を持っています。
205 | タイヤの断面幅 (mm) を示します。この場合、205mmです。 |
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65 | 扁平率 (%) を示します。タイヤの幅に対する高さの割合が65%であることを意味します。 |
R | タイヤの構造がラジアル(Radial)であることを示す記号です。現在の乗用車用タイヤはほぼ全てこの構造です。 |
16 | 適合するホイールの直径 (インチ) を示します。この場合、16インチです。 |
ポイント
タイヤチェーンのパッケージや商品説明には、必ず適合するタイヤサイズの一覧が詳細に記載されています。購入前には、この適合表とご自身のタイヤサイズを一文字ずつ照らし合わせるくらいの慎重さでチェックすることが、購入失敗を防ぐ最大の秘訣です。
特に中古車で購入した場合や、知人から譲り受けた場合、スタッドレスタイヤに履き替えている場合などは、標準サイズと異なっている可能性があります。カタログ情報や思い込みで判断せず、必ず現物のタイヤ側面を見て確認する習慣をつけましょう。
日産純正タイヤチェーンという選択肢

「たくさんの種類から選ぶのは難しい」「とにかく信頼性と安心感を最優先したい」という方には、日産純正のタイヤチェーンも有力な選択肢の一つになります。自動車メーカー自身が用意しているだけあり、そのメリットは明確です。
最大のメリットは、セレナC28との適合性が100%保証されている点です。純正品は、セレナC28の設計データに基づいて、タイヤハウス内の隙間(クリアランス)やサスペンションの動きなどを全て考慮した上で選定されています。これにより、「買ってみたけど車体に干渉して使えなかった」という最悪の事態を完全に避けることができます。また、厳しい品質基準をクリアしているため、耐久性や性能面でも高い信頼がおけます。
「純正品なら間違いなし!」という安心感は、特に車に詳しくない方にとっては非常に大きいですよね。万が一の不具合があった際の相談先が、いつもお世話になっている日産ディーラーというのも心強いポイントです。
一方で、デメリットも理解しておく必要があります。一般的に、市販の同等性能品に比べて価格が高めに設定されていることが多いです。これは品質保証やブランドの信頼性に対する価格とも言えます。加えて、市販品ほどラインナップが豊富ではありません。例えば、日産が用意しているのが金属製チェーンのみであった場合、静粛性に優れた非金属製や手軽な布製を選びたいというニーズには応えられない可能性があります。
注意点
純正品を希望する場合は、必ずしもディーラーに常時在庫があるとは限りません。取り寄せになることも多いため、事前に最寄りの日産ディーラーに電話などで問い合わせておくことを強くおすすめします。特に、冬のシーズンが本格化する12月以降は需要が集中し、品切れになることも考えられますので、早めの行動が肝心です。
オートバックスでの取り扱い状況

オートバックスやイエローハットといった全国展開する大手カー用品店は、タイヤチェーンを購入する際の最もポピュラーな選択肢と言えるでしょう。これらの店舗を訪れる最大の魅力は、なんといっても圧倒的な品揃えと専門スタッフの存在にあります。
店内には、様々なメーカーの金属製、非金属製、布製(スノーソックス)といった多種多様な製品が陳列されており、実際に商品を手に取って重さや素材感、ロック部分の構造などを比較検討できます。パッケージだけでは分からない微妙な違いを、自分の目で確かめられるのは実店舗ならではの大きな利点です。
また、専門知識を持ったスタッフに直接相談できるのも心強い点です。「セレナC28で、スキー場への坂道をよく走るんだけど、どれがおすすめ?」「とにかく取り付けが簡単なモデルは?」といった具体的な利用シーンを伝えることで、プロの視点から最適な商品を提案してもらえます。セール時期や会員特典などを活用すれば、市価よりもお得に購入できるチャンスがあるのも見逃せません。
補足情報
店舗によっては、オフシーズンにタイヤチェーンの取り付け講習会などを開催している場合があります。また、購入時にスタッフから簡単なレクチャーを受けられることも。取り付けに少しでも不安がある方は、こうしたサービスが利用できないか、積極的にスタッフに相談してみることをおすすめします。
ただし、利便性が高い一方で注意点もあります。天気予報で雪マークが出た直後の週末などは、店舗が非常に混雑し、レジに長蛇の列ができることも珍しくありません。このような状況では、ゆっくりと商品を選んだり、スタッフにじっくり相談したりする時間を確保するのは難しくなります。冬本番を迎える前の、比較的空いている時期に余裕を持って店舗へ足を運ぶのが賢明と言えるでしょう。もちろん、Amazonや楽天市場といったオンラインストアを利用すれば、ユーザーレビューを参考にしながら自宅でじっくり選ぶという方法も有効です。それぞれのメリットを活かして、ご自身に合った購入方法を選びましょう。
タイヤチェーンの値段相場は?

タイヤチェーンの値段は、その種類や機能、ブランドによって大きく異なります。ご自身の予算と、どれくらいの性能を求めるかを天秤にかけ、納得のいく製品を選ぶためにも、あらかじめ各タイプの値段相場を把握しておくことが大切です。主な3タイプの値段相場と、価格差が生まれる理由を詳しく見ていきましょう。
種類 | 値段相場 | 特徴・価格差の理由 |
---|---|---|
金属製 | 3,000円 ~ 8,000円 | 最も安価な価格帯。素材コストが低く、構造もシンプルなため。凍結路での制動力に優れますが、乗り心地や静粛性は劣ります。 |
非金属製 | 15,000円 ~ 30,000円 | 高価ですが、現在の主流。高性能ポリウレタンエラストマー等の素材や、超硬スパイクピン、簡単な装着を可能にするロック機構など、技術的な付加価値が高いため価格も上がります。 |
布製(スノーソックス) | 8,000円 ~ 15,000円 | 特殊な化学繊維でできており、着脱の手軽さが最大の特徴。金属や非金属に比べると耐久性で劣るため、緊急用・一時的な使用を想定した価格設定になっています。 |
このように、最も手頃なのは金属製ですが、乗り心地や取り付けの手間、ホイールへの傷つきリスクなどを考慮すると、総合的なバランスで非金属製が現在の主流となっています。年に数回、スキーやスノーボードで雪深い地域へ出かける方であれば、初期投資は高くとも高性能な非金属製を選ぶ価値は十分にあります。
一方で、「普段は雪の降らない地域に住んでいて、スタッドレスタイヤも持っている。でも、万が一の規制や予期せぬ凍結に備えたい」という方には、緊急脱出用として布製チェーンが圧倒的な人気を誇ります。使用しない時は非常にコンパクトに収納できるため、セレナのラゲッジスペースを圧迫しない点も大きな魅力と言えるでしょう。
ジャッキアップ不要な付け方とは

「タイヤチェーンの取り付けは、重くて冷たい鉄の塊と格闘する、大変な力仕事だ」…そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、それはもはや過去の話です。技術の進歩により、現在の市場で販売されているタイヤチェーンのほとんどは、車体を持ち上げるジャッキアップを一切行わずに、簡単かつ迅速に取り付けられるように工夫されています。
ここでは、代表的な非金属チェーンの取り付け手順を、より具体的に見ていきましょう。
準備から装着完了までの主な手順
- 安全の確保と準備:まず、必ず平坦で安全な場所に車を停車させ、サイドブレーキをかけ、ハザードランプを点灯させます。内容物(チェーン本体、手袋、説明書など)が全て揃っているか確認します。
- チェーンの仮装着:チェーンの表裏を確認し、タイヤの上から肩にかけるように被せます。この時、できるだけ奥まで均等に被せるのがコツです。
- 車両の移動:車をゆっくりと前進または後進させ、タイヤを半回転(180度)させます。これにより、地面に接していた部分が上に来ます。
- 本装着とロック:タイヤの残りの部分にチェーンを完全に被せます。製品によりますが、通常は内側と外側の複数のフックや連結部を留め、最後に締め付け用のロック機構を操作します。
- 最終確認:少し走行した後、チェーンに緩みがないか再度確認(増し締め)すると、より安全です。
この一連の作業は、JAF(日本自動車連盟)のウェブサイトでも動画付きで解説されており、事前にイメージトレーニングをしておくと非常にスムーズです。
慣れてしまえば、女性一人でも片輪5分程度、両輪で10分~15分で装着できるモデルがほとんどですよ。一番のポイントは、購入後に一度、天気の良い暖かい日に、雪のない安全な場所で必ず練習しておくことです!ぶっつけ本番は絶対に避けましょう。
特に、カーメイトの「バイアスロン」シリーズに代表されるような、3点ロック式のクイックロック機構を採用したモデルは、力をほとんど必要とせずに、ハンドルを回すだけで確実かつ強力に締め付けができるため、初心者の方に非常におすすめです。
注意点
「ジャッキアップ不要」であっても、タイヤ周りでの屈伸作業になります。安全な場所に停車することはもちろん、防水・防寒機能のある手袋や、必要であれば膝をつくためのマット、夜間作業用のヘッドライトなどを用意しておくと、より安全かつ快適に作業ができます。
手軽で便利な布製タイヤチェーン

近年、スタッドレスタイヤの補助的役割として、また緊急用滑り止めとして特に注目を集めているのが「布製タイヤチェーン」、通称スノーソックスです。金属でもゴムでもない、特殊な繊維で作られたこの製品は、従来のチェーンの常識を覆すほどの利便性を持っています。
その名の通り、タイヤに大きな靴下を履かせるような感覚で簡単に装着できるのが最大の特徴で、力の弱い方でも数分で作業を完了できます。
布製チェーンの特筆すべきメリット
- 圧倒的な着脱の容易さ:ただ被せるだけなので、直感的でスピーディー。
- 優れた収納性:軽量でコンパクトに折りたため、トランクの隅に常備できる。
- 卓越した静粛性と乗り心地:金属やゴムではないため、走行音が非常に静かで、振動もほとんどありません。
- ホイールへの優しさ:柔らかい布製なので、大切なアルミホイールを傷つける心配がありません。
この手軽さから、普段はスタッドレスタイヤを装着しているドライバーが、高速道路などで発令される「チェーン規制」区間に対応するための備えとして携行するケースが非常に増えています。2018年冬から、一部の国道や高速道路では、大雪特別警報などが発表されるような異例の降雪時に、スタッドレスタイヤを履いていてもチェーン装着が義務化される区間が設定されました。(出典:国土交通省「チェーン規制Q&A」)このような「もしも」の事態への備えとして、トランクに一つ積んでおくと絶大な安心感が得られます。
しかし、もちろん万能ではありません。最大の注意点は耐久性です。金属製や非金属製に比べると、繊維が摩耗しやすく、特に雪や氷が解けたアスファルト路面を長く走行すると、短時間で破れてしまう可能性があります。そのため、あくまで雪道や凍結路での一時的な使用、あるいは緊急脱出用と割り切って使用することが推奨されます。
長距離の雪国ドライブや、凍結と乾燥を繰り返すような過酷な路面を頻繁に走る予定がある場合は、耐久性に優れる非金属製や金属製の方が適しています。ご自身の主な使用シーンを具体的にイメージして、最適なタイプを選ぶことが重要です。
用途別おすすめのセレナ c28 タイヤ チェーン

- コスパに優れたおすすめモデル
- 静粛性に優れる非金属チェーン
- 凍結路に強い金属製チェーン
- 取り付けやすさも選ぶポイント
- 購入前に確認すべき注意点
- 最適なセレナ c28 タイヤ チェーン選び
コスパに優れたおすすめモデル

「年に一度、実家に帰省する時に雪が降るかもしれない」「スキーに行くのはワンシーズンに一回だけ。でも備えはしておきたい」そんな方には、コストパフォーマンスに優れたモデルがおすすめです。高価な高性能品はオーバースペックになる可能性があるため、使用頻度と価格のバランスを考えて、賢く製品を選びましょう。
このカテゴリで有力な選択肢となるのは、やはり比較的安価な金属製チェーン、もしくは一部の布製チェーンです。金属製チェーンは、数千円から購入できるモデルも多く、特にカチカチに凍ったアイスバーンでのグリップ力は、高価な非金属チェーンを凌ぐほどの性能を発揮することがあります。年に一度の「もしも」のために、最も安価に確実な制動力を手に入れる手段と言えるでしょう。
コスパ重視なら
価格の安さを最優先するなら、昔ながらのはしご型や、横滑り性能を改善した亀甲型の金属チェーンが候補になります。ただし、走行時の騒音や振動は覚悟が必要です。「目的地までの数キロだけ、安全に走れれば良い」と割り切れるのであれば、十分すぎるほどの性能を持った選択肢です。
また、もう少し予算を上げて8,000円〜10,000円程度まで考えられるのであれば、布製チェーンが非常に魅力的な選択肢として浮上します。布製は、何と言ってもその着脱の手軽さが最大の武器です。「年に一度の、慣れない雪道での作業」というストレスを大幅に軽減してくれます。緊急用と割り切れば、耐久性のデメリットもほとんど気にならないかもしれません。コストと利便性のバランスが非常に良い選択です。
静粛性に優れる非金属チェーン

雪道を走る機会が年に数回以上あり、特に長距離を走行する際の快適性を最優先する方には、価格は高くなりますが、間違いなく非金属製のウレタン(ゴム)チェーンを強くおすすめします。その投資に見合うだけの、静かで快適な雪道ドライブを実感できるはずです。
非金属チェーンの最大の利点は、金属チェーン特有の、あの「ガチャガチャ」「ゴトゴト」という騒音がほとんどないことです。本体の素材に使われる高性能ポリウレタンエラストマーは、氷点下でも硬化しにくく、しなやかさを保ちます。この素材が路面からの衝撃を巧みに吸収し、チェーンを装着していることを忘れるほど静かでスムーズな乗り心地を提供してくれるのです。長距離移動時のドライバーの疲労を軽減し、同乗者との会話や音楽を楽しむ余裕も生まれます。
特に、セレナのようなご家族や友人を乗せる機会の多いミニバンでは、この静粛性は大きな付加価値になりますよね。後部座席で眠っているお子様を起こしてしまう心配もありません。家族でのスキー旅行など、楽しい思い出作りには最適なチェーンです!
このカテゴリの代表的な製品としては、やはりカーメイトの「バイアスロン クイックイージー」が挙げられます。この製品は、タイヤトレッドをがっちり掴む超硬マカロニスパイクピンによる高いグリップ性能と、前述の優れた静粛性に加え、独自のクイックロック機構による圧倒的な取り付けやすさにも定評があります。まさに「性能・快適性・利便性」の三拍子が揃った非金属チェーンの定番であり、セレナC28(205/65R16)に適合するサイズももちろんラインナップされています。
凍結路に強い金属製チェーン

価格の安さに加え、ミラーバーンやブラックアイスバーンといった、カチカチに凍結した路面(アイスバーン)での走行性能を最優先するのであれば、金属製チェーンに軍配が上がります。これは物理的な原理で、硬い金属の鎖が氷の表面を砕くようにガリガリと食い込むため、ゴムや布では滑ってしまうようなツルツルの路面でも、力強いグリップ力を発揮します。
特に、信号のある交差点や、日陰の急な坂道など、一度滑り出すと止まれない恐怖を感じるような場所では、金属チェーンがもたらす安心感は絶大です。近年では、単純なはしご(ラダー)型だけでなく、鎖を亀の甲羅のように編み込んだ亀甲(きっこう)型の金属チェーンが主流です。これにより、前後方向のグリップ力だけでなく、カーブなどでの横滑りに対する性能も大幅に向上しています。
ただし、前述の通り、その強力な性能と引き換えになるデメリットも明確に存在します。
金属製チェーンの主なデメリット
- 騒音と振動:走行時の「ガチャガチャ」という音は大きく、ゴツゴツとした振動は常に伝わってきます。快適性は期待できません。
- 車や路面への攻撃性:雪のないアスファルト路面を走行するとチェーンが切れやすくなるだけでなく、ホイールに傷をつけたり、路面を削ってしまったりする可能性があります。
- 取り付けの手間:近年のモデルは改善されていますが、重く、絡まりやすいため、非金属製に比べて取り付けに手間と時間がかかる傾向があります。
これらの特性を総合的に判断すると、日常的に圧雪路よりも凍結路を走る機会が多い寒冷地のドライバーや、とにかく初期費用を徹底的に抑えたい方向けの、やや玄人好みの選択肢と言えるでしょう。使用する際は、こまめな着脱を心がけ、速度を落とした慎重な運転が求められます。
取り付けやすさも選ぶポイント

どれだけグリップ性能や静粛性に優れたタイヤチェーンでも、いざという時にスムーズに取り付けられなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。特に、雪が降りしきる氷点下の屋外で、かじかむ手で作業することを現実的に想像すると、取り付けやすさがいかに重要かがお分かりいただけるはずです。これは、単なる利便性を超えた、安全に関わる性能の一つと言っても過言ではありません。
力の弱い方や、チェーンの着脱に全く慣れていない初心者の方は、カタログスペックだけでなく、以下のような「取り付けを簡単にする工夫」が凝らされたモデルを選ぶことを強くおすすめします。
取り付けが簡単なチェーンの主な特徴
- クイックロック機構:本体をタイヤに被せた後、専用のハンドルやレバーを数回まわすだけで、簡単かつ均等に締め付けが完了するタイプ。力をほとんど必要としないのが最大の魅力です。
- 分割式(セパレートタイプ):チェーン本体が2~3つのパーツに分かれており、ホイールの隙間にパーツを通して連結していくタイプ。一度に全体を持ち上げる必要がなく、一つ一つの作業が軽いのが特徴です。
- 自動増し締め機能(オートテンショナー):一度装着して走り出すと、遠心力を利用してチェーンが自動で最適な張り具合に調整される機能。装着後の締め付け確認の手間が省けます。
- 布製(スノーソックス):前述の通り、ゴムの力で伸縮する本体をタイヤに被せるだけなので、構造が最もシンプルで直感的。迷う要素がほとんどありません。
最近では、多くのメーカーが公式サイトやYouTubeで、製品ごとの取り付け方法を動画で公開しています。購入を検討する際には、こうした動画を事前にチェックし、自分が実際に作業するシーンを具体的にイメージしてみましょう。「これなら自分でもできそう」と心から思えるものを選ぶことが、購入後の後悔を防ぎ、いざという時の迅速な安全確保に繋がります。
購入前に確認すべき注意点

自分にぴったりのタイヤチェーンを見つけ、いよいよ購入。その最終ステップに進む前に、もう一度だけ立ち止まって確認していただきたい、非常に重要な注意点があります。これらを見落とすと「せっかく買ったのに装着できなかった」という最悪の事態に陥りかねません。購入ボタンを押す前に、以下の3つのポイントを必ず最終確認してください。
1. タイヤサイズ(最終確認)
繰り返しになりますが、最も重要かつ、最も間違いの多いポイントです。「205/65R16」というサイズを、ご自身のセレナC28のタイヤ側面で、もう一度確認してください。特に注意したいのは、夏用タイヤと冬用タイヤ(スタッドレス)で、インチや幅が異なるサイズを装着しているケースです。チェーンは、実際に雪道で装着する予定のタイヤのサイズで選ばなければなりません。
2. 駆動方式と装着輪
タイヤチェーンは、エンジンの力を路面に伝える駆動輪に装着するのが鉄則です。セレナC28には、前輪が駆動するFF(前輪駆動)車と、四輪が駆動する4WD車があります。FF車の場合は、必ず前輪(フロントタイヤ)に装着します。4WD車の場合は、車種によって最適な装着輪が異なりますので、必ず車に搭載されている取扱説明書で指定されている箇所を確認してください(一般的には、操舵輪である前輪への装着が推奨されることが多いです)。ご自身の車の駆動方式は、車検証を見れば明確に記載されています。
3. タイヤと車体の隙間(クリアランス)
タイヤチェーンを装着すると、その厚みの分だけタイヤの外径や幅が大きくなります。そのため、タイヤと、その内側にあるサスペンションのスプリングやアーム、ブレーキホース、そしてタイヤハウスの内張りやフェンダーとの間に、十分な隙間(クリアランス)が必要です。多くの市販チェーンは一般的な乗用車に適合するように作られていますが、車高を下げるローダウンサスペンションを組んでいたり、純正品とはオフセット(取り付け位置)の異なる社外ホイールに交換していたりする場合は、このクリアランスが極端に狭くなっている可能性があります。
クリアランスが不足している状態で走行すると、チェーンが車体の重要部品に接触し、走行不能になるほどの重大な損傷を引き起こす可能性があります。少しでも不安な場合は、自己判断せず、購入前にカー用品店の専門スタッフやディーラーに相談するのが最も確実で安全です。
最適なセレナ c28 タイヤ チェーン選び
- セレナC28の標準タイヤサイズは「205/65R16」
- 購入前には必ず実車のタイヤ側面でサイズを再確認する
- タイヤチェーンは大きく分けて金属製・非金属製・布製の3種類
- 安心感を最優先するなら日産純正品も選択肢の一つ
- 品揃えや専門スタッフへの相談を重視するならオートバックスなどのカー用品店が便利
- 値段相場は金属製が安価、非金属製が高価、布製はその中間
- 現在の主流はジャッキアップ不要で簡単に取り付けられるモデル
- 布製チェーンは着脱が最も簡単で緊急用に最適
- 年に数回以上、雪道を快適に走りたいなら非金属製がおすすめ
- 静粛性や乗り心地を重視する場合も非金属製が優れる
- 凍結路でのグリップ力と価格の安さを最優先するなら金属製
- 取り付けやすさもチェーン選びの重要なポイント
- 購入前には駆動方式(FFか4WDか)の確認も忘れずに
- タイヤと車体の隙間(クリアランス)も重要なチェック項目
- 自分の使用頻度や予算、何を重視するかを明確にして選ぶことが失敗しないコツ
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