1989年から2004年まで、長きにわたり多くのユーザーに愛された100系ハイエース。今なお現役で活躍する個体も多く、オーナーの中にはタイヤ交換を検討している方も少なくないでしょう。しかし、いざ交換しようとすると「自分のハイエースに合うタイヤサイズはどれだろう?」「カスタムとしてインチアップしたいけど、失敗しないか不安だ」といった疑問に直面することがあります。
純正サイズからインチアップまで選択肢は多様で、ご自身のハイエースに最適な一本を見つけるのは、情報が少ない現状では難しいと感じるかもしれません。
特に、見た目を大きく変えることができる人気の16、17、18インチへ交換する際は、デザイン性だけでなく乗り心地の変化や安全性、車検への適合といった現実的な問題も考慮する必要があります。また、後継モデルであるハイエース200系のタイヤサイズとの違いや、物理的に装着可能なタイヤサイズの限界、さらには18インチで車検対応タイヤを選ぶ際の注意点など、事前に知っておくべき専門的な知識は多岐にわたります。
この記事では、100系ハイエースの純正(195/70R15、205/70R15、215/70R15)といった基本的な情報から、インチアップカスタムに役立つサイズ早見表まで、タイヤ選びに関するあらゆる情報を専門的な視点から網羅的に、そして分かりやすく解説します。この記事を最後まで読めば、あなたの100系ハイエースに最適なタイヤ選びが可能になり、失敗や後悔のないカーライフを送るための一助となるはずです。
- 100系ハイエースの純正タイヤサイズがわかる
- インチアップ時の適合サイズや注意点が理解できる
- 車検に対応するタイヤ選びのポイントが明確になる
- 200系ハイエースとのタイヤサイズの違いが把握できる
100系ハイエースタイヤサイズの基本情報

- 純正(195/70R15、205/70R15、215/70R15)を解説
- 型式やグレードによる純正サイズの違い
- ホイールのPCD・穴数・インセット
- 参考:ハイエース200系タイヤサイズとの違い
純正(195/70R15、205/70R15、215/70R15)を解説

100系ハイエースに標準で装着されている純正タイヤは、基本的にホイール径が15インチのものが採用されています。しかし、全モデルで共通のサイズが使われているわけではなく、車両のグレードや年式によって、主に3つの異なるサイズのタイヤが使い分けられています。具体的には「195/70R15」「205/70R15」「215/70R15」の3種類が中心となります。
なぜなら、それぞれのグレードが想定している用途、例えば乗車定員や最大積載量、エンジンの種類といった車両重量や走行性能に応じて、最も適したタイヤがメーカーによって選択されているためです。乗車定員が多いワゴンモデルや、装備が充実している上級グレードでは、より重い車体を支え、安定した走行を実現するために、負荷能力が高く接地面の広いタイヤが装着される傾向にあります。
ご自身のハイエースのタイヤを交換する際は、まず現在装着されているタイヤの側面(サイドウォール)に刻印された表示を確認し、サイズを正確に把握することが何よりも重要です。この純正サイズが、今後のタイヤ選びのすべての基準となります。
タイヤサイズ表記の見方
例えば「215/70R15」という表記は、以下の意味を表しています。
- 215:タイヤの幅(mm)を示します。この場合、215mmです。
- 70:扁平率(%)を示します。タイヤの高さが幅に対して何パーセントあるかを表し、この場合は215mmの70%がタイヤの高さになります。
- R:タイヤの構造がラジアル構造であることを示します。
- 15:適合するホイールの直径(インチ)を示します。この場合は15インチです。
型式やグレードによる純正サイズの違い

前述の通り、100系ハイエースのタイヤサイズは、車両の型式やグレードによって細かく設定されています。一見同じに見える100系であっても、購入したモデルによって標準タイヤが異なるため、中古車で購入した場合などは特に注意が必要です。
このため、ご自身の車両の正確な適合サイズを知るためには、運転席のドアを開けた部分にあるコーションプレートや、車検証に記載されている「型式」を確認することが最も確実な方法と言えます。
具体的には、主要なグレードと型式で以下のようなサイズが採用されていました。
グレード例 | 型式例 | 年式例 | 純正タイヤサイズ |
グランドキャビン | KD-KZH120G | 1997年~ | 195/70R15 |
DX | KH-KZH100G | 1997年~ | 205/70R15 |
スーパーカスタムリミテッド | Y-KZH106G | 1997年~ | 215/70R15 |
このように、車両の仕様によってタイヤ幅に10mmから20mmの違いが見られます。タイヤを選ぶ際には、ご自身のハイエースのグレードと型式に合ったサイズを基準に考えることが、安全で快適なドライブの第一歩となります。
ホイールのPCD・穴数・インセット

タイヤだけでなく、その土台となるホイールの規格を正確に理解することも、100系ハイエースの足回りを考える上で欠かせない要素です。純正ホイールの基本的なスペックは、ホイールを固定するボルト穴の数が6穴、そしてその穴が描く円の直径を示すPCD(Pitch Circle Diameter)が139.7mmとなっています。
この「6H-139.7」という規格は、ハイエースのような商用バンや、多くの国産クロスカントリー4WD車で広く採用されている、非常に一般的な規格です。そのため、ホイールを交換する際は、この規格に適合する製品を選ぶことが大前提となります。
さらに、ホイールのサイズはリム幅が6インチの「15×6J」、そしてホイールの取り付け面の位置を示すインセットは「+29」や「+30」が標準的な数値です。
ホイールの重要スペック解説
- リム幅 (J):タイヤがはまる部分の幅をインチで表します。「6J」は幅が6インチであることを示します。
- インセット:ホイールの中心線からハブへの取り付け面までの距離をmmで表します。この数値が小さいほどホイールは外側に、大きいほど内側に装着されます。
インセットの選択を誤ると、タイヤが車体からはみ出して保安基準に適合しなくなったり、逆に内側に入りすぎてサスペンションアームやブレーキキャリパーに干渉したりする原因となります。社外ホイールを選ぶ際には、デザインだけでなくこれらの数値を必ず確認しましょう。
参考:ハイエース200系タイヤサイズとの違い

100系の後継モデルとして現在も進化を続ける200系ハイエースでは、標準のタイヤサイズが大きく変更されています。100系では複数の乗用車向けサイズが混在していましたが、200系のバンモデルでは「195/80R15 107/105L LT」が基本的な純正サイズとして定着しています。
この違いが生まれる最大の理由は、車両の設計思想や安全基準が時代と共に進化し、より高い負荷能力が求められるようになったためです。特に注目すべきは、サイズ表記の末尾にある「107/105L LT」という部分です。
LTタイヤとロードインデックス
- LT:Light Truckの略で、小型トラックやバンなどの貨物車用に設計されたタイヤであることを示します。
- 107/105L:ロードインデックス(LI)と呼ばれる荷重指数です。107は単輪で装着した場合、105は後輪をダブルタイヤで装着した場合の負荷能力を表します。数値が大きいほど、より重い荷重に耐えられます。
100系から200系へ乗り換えた場合や、両方のモデルを比較する際には、単なるタイヤの大きさだけでなく、このロードインデックスの違いを正確に理解しておく必要があります。100系ワゴンの場合は乗用車用タイヤが基本ですが、バンモデルを商用利用する場合は、やはり相応の負荷能力を持つタイヤを選ぶことが、安全運行上、極めて重要になります。
100系ハイエースタイヤサイズのインチアップガイド

- 人気の16、17、18インチへの交換
- インチアップのサイズ早見表
- 純正タイヤとの外径比較
- タイヤサイズの限界とフェンダー干渉
- 18インチ車検対応タイヤの選び方
- インチアップのメリット・デメリット
- まとめ:失敗しない100系ハイエースタイヤサイズの選び方
人気の16、17、18インチへの交換

100系ハイエースのドレスアップとして、タイヤとホイールのインチアップは時代を超えて愛される定番のカスタムです。純正の15インチから、16インチ、17インチ、あるいは18インチへとホイール径を大きくすることで、車両のサイドビューを劇的に変え、オーナーの個性を表現することができます。
16インチ:バランスの取れた定番サイズ
中でも、乗り心地とスタイルのバランスが最も取りやすいとされる16インチへのインチアップが、今も昔も一番の人気を誇ります。15インチからの変化が適度で、タイヤの厚み(扁平率)も確保しやすいため、乗り心地の悪化を最小限に抑えられます。また、対応するタイヤやホイールのデザインが市場に豊富に流通しており、選択肢の多さや価格面でのメリットも大きいのが魅力です。
17・18インチ:迫力を求める上級カスタム
一方で、よりスタイリッシュで迫力のあるスタイリングを追求するなら、17インチや18インチが選択肢に入ります。ホイールのデザインがより際立ち、スポーティーな印象を強く打ち出すことが可能です。
ただし、インチが大きくなるにつれてタイヤの扁平率が低く(薄く)なるため、路面からの衝撃を吸収する空気の層が減り、乗り心地が硬くなる傾向が強まります。段差などでの突き上げ感が顕著になったり、ロードノイズが大きくなったりといった変化も伴います。どのインチを選ぶかは、見た目の好みだけでなく、普段の走行距離や同乗者の快適性とのバランスを十分に考えて決めることが鍵となります。
インチアップのサイズ早見表

インチアップを行う際に最も重要な技術的ポイントは、タイヤの外径を純正サイズに極力近づけることです。外径が大きく変わってしまうと、スピードメーターに誤差が生じたり、最悪の場合、フェンダーやサスペンションにタイヤが干渉したりする恐れがあるため、慎重な計算が求められます。
そこで、純正サイズ「215/70R15」(外径約682mm)を基準とした、インチアップサイズの一般的な目安を以下の表にまとめました。
ホイールインチ | タイヤサイズ例 | タイヤ外径 (約) | 純正との外径差 |
15インチ (純正) | 215/70R15 | 682 mm | – |
16インチ | 215/65R16 | 685 mm | +3 mm |
17インチ | 215/60R17 | 690 mm | +8 mm |
18インチ | 225/50R18 | 682 mm | ±0 mm |
注意点
この表はあくまで一般的な計算値に基づいた一例です。タイヤは同じサイズ表記でも、メーカーやブランド、モデルによって実際の外径や幅が数mm異なる場合があります。また、装着するホイールのリム幅やインセットによっても装着の可否は変わるため、最終的にはタイヤ専門ショップでプロに相談しながら選ぶことを強くお勧めします。
純正タイヤとの外径比較

前述の通り、インチアップでは純正タイヤとの外径差をできるだけ小さくすることが、トラブルを避けるための鉄則です。多くの専門家や自動車メーカーは、この外径差をプラスマイナス2%から3%以内に収めることを推奨しています。
なぜなら、タイヤの外径は、単に地面と接する部分の大きさというだけでなく、車両の走行性能や安全装置の制御全体に深く関わっているからです。
例えば、外径が純正より大きくなると、タイヤが一回転するのに進む距離が長くなるため、スピードメーターは実際の速度よりも遅く表示されます。逆に小さくなると、速く表示されることになります。これは道路交通法で定められた車検の許容誤差(平成19年1月1日以降の製造車の場合、メーターが40km/hを示す時に実速度が30.9km/h~42.55km/hの範囲内)を超えてしまう可能性があり、無視できないポイントです。
さらに、現代の車に標準装備されているABS(アンチロック・ブレーキ・システム)や、一部のモデルに搭載されているTCS(トラクション・コントロール・システム)といった電子制御の安全装置は、4輪それぞれのタイヤの回転数を精密に検知して作動しています。そのため、タイヤの外径が想定値から大きく外れると、これらのシステムが誤作動を起こしたり、正常に機能しなくなったりするリスクも考えられます。安全性を高いレベルで維持するためにも、外径の整合性を保つことは非常に大切なのです。
タイヤサイズの限界とフェンダー干渉

100系ハイエースは、乗用車と比較して、元々の設計上、タイヤハウス(タイヤを覆う車体内部の空間)のクリアランスにあまり余裕がありません。したがって、インチアップやタイヤ幅を標準より広げる際には、フェンダーやサスペンションとの物理的な干渉に細心の注意を払う必要があります。
タイヤサイズの限界は、主にタイヤの「幅」と「外径」、そしてホイールの「インセット」という3つの要素の組み合わせによって決まります。例えば、見た目の迫力を求めてタイヤ幅を過度に広げると、ハンドルをいっぱいに切った際に、タイヤハウスの内側にあるインナーライナーや、サスペンションのアーム類にタイヤが接触することがあります。
同様に、インセットの値が純正よりも小さい(ホイールがより外側に出る)ホイールを選ぶと、タイヤがフェンダーからはみ出してしまい、保安基準に適合しなくなるだけでなく、サスペンションが沈み込んだ際にフェンダーの縁(通称「爪」)とタイヤが接触する危険性が高まります。特に車高を下げている(ローダウンしている)車両では、このクリアランスがさらに狭くなるため、ノーマル車高の車両よりも一層シビアで慎重なサイズ選びが求められます。
18インチ車検対応タイヤの選び方

18インチへのインチアップは、100系ハイエースの足元に圧倒的な存在感を与えますが、車検に適合させるためには、いくつかの重要なポイントをクリアしなければなりません。特に厳しくチェックされるのが「タイヤのはみ出し」と「ロードインデックス(荷重指数)」です。
まず、タイヤの最も外側の部分(サイドウォール)が、車体のフェンダーの一番外側のラインから出てしまう「はみ出し」は、保安基準違反となり車検に通りません。これを防ぐためには、装着するタイヤの幅に対して、適切なリム幅とインセットを持つホイールを選ぶことが絶対条件です。ショップの専門家と相談し、緻密なマッチング計算を行うことが不可欠です。
次に、ロードインデックスは、そのタイヤが支えられる最大の負荷能力を示す数値であり、ハイエースのような重量のある車両では特に重要視されます。車両の総重量を支えるのに十分な負荷能力を持たないタイヤを装着していると、安全基準を満たしていないと判断され、車検不合格となります。
バンとワゴンでの注意点の違い
特に注意が必要なのが、バン(4ナンバー)とワゴン(5ナンバー/3ナンバー)での違いです。乗用車登録のワゴンの場合は乗用車用タイヤで問題ありませんが、貨物車登録のバンの場合は、原則としてLT(ライトトラック)規格のタイヤ、もしくはそれに準ずる高い負荷能力を持つタイヤを選ぶ必要があります。デザイン性だけで選んでしまうと、車検時に指摘される可能性が非常に高いため、注意しましょう。
インチアップのメリット・デメリット

インチアップは多くの魅力を持つカスタムですが、光があれば影もあるように、メリットだけでなくデメリットも存在します。両方の側面を正しく理解した上で、ご自身のカーライフのスタイルや価値観に合った選択をすることが、後悔しないための最も重要なポイントです。
メリット
- ドレスアップ効果:最大のメリットは、やはり見た目の劇的な向上です。ホイールが大きくなり、タイヤのサイドウォールが薄くなることで、足元が引き締まり、ノーマルとは一線を画すスタイリッシュで迫力のある印象を演出できます。
- 走行性能の向上:タイヤの扁平率が低くなることで、タイヤのたわみが減り、ハンドリングレスポンスがシャープになります。また、タイヤ幅を広げればグリップ性能が向上し、コーナリング時の安定感が増すといった走行性能面での利点も期待できます。
デメリット
- 乗り心地の悪化:最も体感しやすいデメリットです。タイヤ内部の空気の量が減り、クッション性が低下するため、路面の凹凸や段差での衝撃を拾いやすくなり、ゴツゴツとした硬い乗り心地に感じられることが多くなります。
- 燃費の悪化:一般的に、インチアップするとホイールとタイヤの合計重量が増加します。また、タイヤ幅を広げることで路面との摩擦抵抗も増えるため、発進時や加速時により多くのエネルギーが必要となり、燃費が悪化する傾向にあります。
- コストの増加:大口径のタイヤやホイールは、純正サイズに比べて価格が高価です。初期投資だけでなく、将来的なタイヤ交換時の費用も高くなる点を考慮しておく必要があります。
- 静粛性の低下:タイヤの接地面が広くなることなどから、ロードノイズ(タイヤが路面を転がる際に発生する騒音)が大きくなることがあります。
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まとめ:失敗しない100系ハイエースタイヤサイズの選び方
- 100系ハイエースの純正タイヤは15インチで主に3種類ある
- グレードや型式によって標準の純正サイズは異なる
- 純正ホイールの基本スペックは6穴でPCD139.7である
- 後継の200系ハイエースとは標準のタイヤサイズが違う
- インチアップでは16インチがスタイルと乗り心地のバランスが良い
- 17インチや18インチも可能だが乗り心地の変化に注意が必要
- インチアップの基本はタイヤの外径を純正に近づけること
- タイヤの外径が大きく変わるとスピードメーターに誤差が生じる
- 100系はタイヤハウスのクリアランスが広くないため干渉に注意する
- フェンダーからのはみ出しは保安基準違反となる
- 車両重量を支えるロードインデックスの確認は必須である
- インチアップは見た目が向上するというメリットがある
- 一方で乗り心地の硬化や燃費悪化のデメリットも存在する
- ワゴンとバンでは車検で求められるタイヤの規格が異なる場合がある
- ご自身の用途や好みに合ったタイヤサイズを慎重に選ぶことが大切
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